おやじの趣味

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2019/08/15 21:00:00|おはなし
おはなし : 外伝『山崎。』  第4-3章 : お久しぶりです。
外伝 : 『山崎。』
第4-3章:お久ぶりです。

 『あ〜、いい湯だな。それに天気は良いし、“てんこ”が横に居るから今日は最高だよ。』
 『貴方、私も、貴方とこうして居られることが信じられないは。』
 『“てんこ”、でも、現在(いま)が現実だよ。』
そう、言いながら山崎は典子の腰に手を廻して抱き寄せた。
 『ところで“てんこ”。今日、武田さんとは何時に逢うんだっけ?』
 『武田さんとは、午後の1時に約束しています。貴方、ここ和倉温泉からだとどの位で着けますか?』
山崎は、頭の中で、地図を描きながら考えていた。
 『“てんこ”、約1時間てとこかな。』
典子は頷きながら、
 『じゃー貴方。余裕を入れたらここを11時半ごろに出れば平気ね。』
 『あー、“てんこ”大丈夫だと思うよ。』
山崎の言葉を聞いた、典子は昔を思い出すような顔をしながら、山崎に向かって話し出した。
 『貴方、知っていましたか?』
 『何をだい、“てんこ”。』
典子は、山崎の肩に頭を載せながら、話し出した。
 『武田さんは、貴方の事が好きだったんですよ。しっていましたか?』
山崎は、驚きながら典子の顔を見て、
 『本当か?』
 『うん、そうなのよ。昔、武田さんはお酒を飲みながらよく貴方の事を話していたは。』
 『そうなんだ・・・・。』
典子は、山崎の声が沈んだことに気がついて、
 『ねー、貴方。まさか、武田さんが好きなの?』
 『そんなの駄目よ。そんなことをしたら、貴方、一生恨むわよ。』
山崎は、苦笑しながら典子の事を見て、
 『いや、本当の事を言うとね、そんな気がしていたんだよ昔。』
 『ただ、その頃には俺、気になっている人がいたからね。』
山崎は、典子に向かって話しながら、典子の“ほっぺ”を突っついて、“ニコ”っと笑って見せた。
 『貴方、誰その女(ひと)は私の知っている人。その女(ひと)の事まだ好きなの・・・・。』
山崎は、頷きながら典子に向かって、
 『“てんこ”、決まってるじゃないか現在進行中だよ。』
 『貴方、私の事を騙していたの・・・・。』
山崎は、慌てて頭を左右に振って見せてから、
 『違うよ、“てんこ”。お前なにか勘違いしていないか?』
 『勘違いってなによ?』
典子は、怒った顔で山崎の事を睨んだ。
慌てて、山崎は典子に向かって、
 『“てんこ”、その頃、気になっている人って言うのは君だよ。』
 『誤解しないでくれよ。だから、現在進行中って言ったんだよ。』
山崎は典子に話しながら、肩を優しく抱いた。
肩に寄り添いながら、典子が山崎の耳に向かって、
 『御免なさい。駄目ね私ったら・・・・。』
 『貴方の事を信じられないなんて。失格だは。』
 『“てんこ”。』
 『君は別におかしなことは言っていないよ。普通だよ。』
 『好きな人が心配になったら、普通確認するでしょ。』
 『でもね、“てんこ”。俺は、君のそういうところも含んで君の事全部が好きなんだよ。』
 『だから、“てんこ”この旅行が終わって、梅雨が明けたら一緒に東京で暮らそう。頼む、一緒に僕と暮らして欲しいんだよ。』
 『はい貴方。こちらこそ私の事をお願いします。』
山崎は、再度、典子の事を抱きしめながら、
 『“てんこ”、俺は君の事を一生かけて守るから心配しないでくれ。』
そのまま、2人は、抱き合ったまましばらく露天風呂に浸かっていた。
 
 『くしゅん。』
典子の“くしゃみ”をきっかけに、2人は露天風呂を出る事にした。
 『“てんこ”、先に上がっていいよ。俺、もう少し温泉に浸かっているから。』
典子は、頷いて、
 『貴方、先に上がって準備をしておくわね。』
 『うん、頼むよ“てんこ”。』
そのまま、典子は上がって、身体をタオルで拭き始めていた。
その、姿を何気に見ていた山崎に向かって、典子が、
 『貴方、“H”よ。そんなに見ないで恥ずかしいから。』
山崎は、慌てて、
 『御免、“てんこ”。お詫びに、俺の裸を見せるから許して!』
 『もー、最低。』
そう、言いながら声を出して笑っていた。
山崎は、典子の笑顔を見て、安心していた。
山崎は、風呂場の時計で時間を確認してから温泉を上がって、身体を拭いている時に典子に目を向けると、誰かにメールを入れている様に見えたので、声を掛けるのを辞めてそのまま体を拭いてから下着を履いて部屋に入っていた。
 『“てんこ”、そろそろ時間だから行こうか?』
 『はい、貴方。』
 『今日も、1日私の事を宜しくお願いしますね。』
山崎は、頷きながら指でOKマークを作って典子に見せた。
 『はい、了解だよ“てんこ”。こちらこそよろしくね。』
典子も、山崎の真似ではないが、頷きながら指でOKマークを作って山崎に見せた。
2人は、そのまま荷物を持って部屋を後にして、エレベーターでフロントへと向かい精算をしてから駐車場へと向かって歩き出した。

山崎のソアラ改は、入口付近に停めていたため、早々に車のドアの鍵を開錠して、荷物を後部座席に置いてから、エンジンを始動させた。
ただ、山崎は暖機運転をするため、典子に“煙草”を吸いに行く旨を伝えて、入口脇の喫煙所へと向かった。
山崎は、喫煙所で煙草を取り出して、吸い始めた。
 『“てんこ”は誰にメールしていたのかな?』
 『まー、いいか。俺も思ったより焼きもち焼きなんだな。』
そう、言いながら、ソアラに目を向けた。
そんな時、典子と目が合い典子が山崎に向けて手を振ってきた。山崎も、典子に応えるために手を振り返した。
その後、山崎は煙草を消して灰皿にすてて、ポケットからタブレットを取り出して口に入れてからソアラへと戻って行った。
 『おまたせ、“てんこ”。じゃー行こうか能登空港へ。』
 『はい、お願いしますね。』
山崎は、典子の言葉を確認してからソアラを走らせた。

能登空港は和倉温泉からは約1時間で行けるため、山崎は途中寄り道をしながら、能登空港に向かった。
空港は羽田や成田見たいな巨大な空港ではなく、地方に有る小さな空港では有ったが、まだ運用されてからさほど時間も経ってなく綺麗な空港で有った。
山崎と典子は、武田との待ち合わせ時間に余裕が有るため、3階の展望デッキで缶コーヒーを片手に滑走路を眺めていた。
 『貴方、可愛い空港ですね。』
 『“てんこ”、そりゃそうだよ。羽田・成田の空港と比べちゃ駄目だよ。ここの滑走路は2000位だよね。』
典子は滑走路の端から端までを眺めてから、山崎に向かって応えた。
 『恐らく、そうですね。』
 『ジェットなら小型レベルだね。』
そんな事を話していた時に、後ろから2人を呼ぶ声がした。
 『機長、典子、お待たせ。』
その声に応えるように2人は振り返って、
 『武田さん。』
 『お久しぶりです。機長、典子。』
典子は、武田とハグをして再会を喜びあっていた。そんな2人を山崎は、微笑ましい眼で見ていた。
武田は、典子との再会の挨拶が終わってから、山崎に向かって、
 『山崎機長、お久しぶりです。ご無沙汰していました。』
 『武田君も久しぶりだね。5年ぶりかな。』
 『はい、そうです。』
 『機長、典子ここじゃーなんだから、レストランでお昼を食べながらお話をしませんか。』
典子と山崎は頷いて見せた。
 『じゃー、こっちです。早く行きましょう。私、お腹ペコペコなんですから。』
そう、話しながら武田を先頭に、レストランへと向かった。
 『予約していた、武田ですが。』
 『武ちゃん、準備出来ているわよ。』
 『おばちゃん、ありがとうございます。』
武田は、典子と山崎にアイコンタクトで連絡して、眺望のいい席に着いた。

席に着いた、山崎と、典子に、レストランのお姉さんが“お冷”と“おしぼり”を持って来てくれた。
 『武ちゃん、いいかな?』
 『はい。お願いします。』
お姉さんは、山崎と典子に一礼してから厨房へと向かった。
 『ほんと、機長、典子お久しぶりです。今日は2人仲良くご旅行ですか?』
典子が、武田に応えるように強く“うん”と頷いて見せた。
 『いつ、帰るんですか?』
 『今日なの。』
武田は、やや呆れ顔をしてから、
 『なんか、短くない?』
典子は、頷いて見せながら、
 『でも、明日お仕事だから休むわけにはいかないのよ。』
 『そうね。典子も大変な仕事に転職したよね。』
武田は、そこで視線を山崎に移して、典子と同じような質問をしてきた。
 『機長は、退職後の5年の間、“典子”をおいて何をされていたんですか?』
山崎は、バツの悪そうな顔をしながら、武田に向かって、典子に話したことを武田に説明した。
話を聞いた武田は、山崎に向かって、
 『ご苦労されていたんですね。』
 『ところで、武田君は結婚されたのかな?』
武田は、自分の左手の薬指に有る指輪をいじりながら、山崎と典子に向かって、
 『はい。3年前に結婚しました。』
 『旦那は、ここ能登空港で働いています。今は管制官の仕事をしています。』
話を聞いた、山崎と典子は、
 『すごいじゃない彩乃。』
その時、先程のレストランのお姉さんが料理を運んで、3人のテーブルにやってきた。
 『武ちゃん、お待たせ。』
 『今日のランチになります。』
そう、言いながら、料理を3人の前に置いて下がって行った。
 『典子、機長どうぞ、食べてください。』
 『なんか、これ、凄くない彩乃!』
武田は、典子の言葉に頷きながら、
 『典子。ここは、能登よ。能登と言ったら食材の宝庫よ。馬鹿にしちゃいけないわよ。』
そう言いながら笑い出した。
山崎もそんな、武田につられて笑い出していた。
 『確かに、武田さん能登は本当に食材の宝庫だよね。海産物は、最高に美味しいよね。』
 『ですよね機長。』
そんな、2人を見ながら、典子は箸を手に取って、一言。
 『いいただきます。』
と、言ってから早速“ホタルイカ”の酢味噌和えを箸にとり口に運んだ。
 『美味しい!ほんと、“ホタルイカ”の酢味噌和え最高においいしわ彩乃。』
武田は、典子の言葉に笑顔で頷きながら、一言、
 『でしょ。』
そのまま、3人は楽しい会話をしながら、食事をしていたが、山崎は、流石に男の事も有り先に食事が終了したため、煙草を吸いに行く旨を2人に話してから席を発った。

 『武田君、申し訳ないけど、席を外すね。典子の相手をお願いするね。』
そう、言い残してから喫煙場所へと向かった。
武田は、山崎が視線から消えたことを確認してから、典子に向かって、
 『典子、山崎さんとどうなのその後は?』
 『先週のメールから何か進展は有ったの?』
典子は、武田からの矢継ぎ早の質問に長い髪をいじりながら武田に向かって、頷いた。
 『何?教えなさいよ。どう進展したの典子。』
典子は、顔を赤くしながら武田に向かって、昨日の夜の話を聞かせた。
 『実はね、先週のメールには書かなかったんだけど、結婚を申し込まれていたの。』
典子は、何気に左手を彩乃に見せた。
 『誰に?それに典子その指輪は何?』
 『もう、彩乃ったら、機長に決まっているじゃないの!』
 『だよね。』
 『それで、典子はなんて返事したの?いいなさいよ。早く!じれったいわね。』
 『返事は、“はい”って答えたは。』
 『やったじゃない典子!入社からの恋が成就したじゃない。』
そう、言いながら、武田はハンカチを目に当てていた。
 『彩乃、まだ話には続きが有ってね。』
 『なによ、早く言いなさいよ典子。じれったいわね。』
 『あの人ったらね、一緒に暮らさないかって言ってくれたの。私、嬉しくて怖いくらいなの。』
 『よかったね典子。これで、1人から家族に代わるのね。』
“うん”と一言、頷いてから、典子も目にハンカチを押し当てた。
 『ところで、典子。』
 『何時から、どこで暮らすのよ。』
 『あの人が、言うには梅雨明けから一緒に東京で暮らすという話は出ているけど、具体的には何時からと言う話はまだ出ていないは。』
 『典子、それは駄目よ。男は“釣った魚には餌をやらない”っていうでしょ。』
典子は、意味が分からず、“きょとん”とした顔を見せていた。
 『もー、典子ったら。ほんと、可愛い女の子なんだから。』
 『いい、さっきの“釣った魚には餌をやらない”って言うのは、極端に言えば、彼女になる前は一生懸命努力して仲良くなるために頑張るんだけど、一旦自分の彼女になったら、何も気を使ってくれなくなるのよ!』
 『分かった。今の貴方は山崎さんに釣り上げられた魚なのよ。』
 『そんなの嫌よ私。』
そんな、話をしていた時に山崎が席に戻ってきて、
 『武田さん、何、釣りするの?』
と、いきなり話だした。
 『いや、だって、今、釣った魚がどうのこうのって話してなかったかい?』
山崎の話を聞いた、2人は顔を見合わせて、大きな声で笑い出した。
大きな声で笑い出した、2人を見て、山崎は、戸惑いながら、
 『どうしたの?何か変な事を言った俺?』
武田と典子は顔を見合わせながら、またまた笑いだしてしまった。
山崎は、しょうがないと言った顔で2人の笑いが止むのを待っていた。
しばらくして、典子の笑い声が止んで、
 『ごめんなさい、貴方。』
 『どうしたの、“てんこ”?』
その時、武田が、山崎に向かって、
 『機長、すいません。私がいけないんです。』
 『武田さん、なにがどうしてこうなったの?』
武田は、真顔になってから山崎に向かって口を開いた。
 『機長。私と約束してください。』
 『何を約束するんだい。』
武田は、典子の顔を見てから、山崎に向かって、
 『典子から、話は聞きました。一生、典子の事をお願いします。』
 『それから、一緒に暮らすって言う話も聞きましたが、具体的に何時から暮らすのかここで、私の前で確約していただけませんか。宜しくお願いします。』
山崎は、武田の顔を見てから、典子を見て、
 『“てんこ”日付決めていいの?』
 『いや、今度、“てんこ”と話をして日付を決めようと思っていたんだけど・・・・。』
 『今、決めていいなら7月の14日でどうかなと思っていたんだけど。』
 『どう、“てんこ”。』
話を聞いていた武田は、典子に向かって、“うん”と言えとサインを送っていた。
 『貴方、7月14日でお願いします。』
山崎は、頷きながら、
 『了解だよ。“てんこ”。』
と、応えながら手を握って、
 『“てんこ”、これで俺にもやっと守るべき家族が出来るよ。』
 『ありがとう“てんこ”。』
 『いいえ、貴方。こちらこそ宜しくお願いします。』
 『“てんこ”、帰ったら大変だよ。引っ越しの準備と業者の手配分かるか?』
典子は山崎に自信を持った顔で頷いてから、
 『貴方、私は引っ越しを幾度かしていますので任せてください。』
 『了解だよ。』
2人のやり取りを見ていた、武田が典子に向かって、
 『おめでとう、典子。良かった、本当に良かったわね。引っ越しが終わったら連絡頂戴ね。』
 『うん、彩乃。分かったは必ず連絡するから引っ越し祝いを送ってね。』
そう、典子は彩乃に冗談交じりの言葉を投げた。
その後、3人は空白だった5年の時間を取り戻すかのように話に花を咲かせていた。
 
第4-4章:誰とメール に続く。





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