おやじの趣味

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2019/08/14 21:00:00|おはなし
おはなし : 外伝『山崎。』  第4-1章 : 和倉温泉
外伝 : 『山崎。』
第4-1章:和倉温泉。

翌朝、晋二郎は何時もの目覚ましの音楽で眼を覚まして、ワン吉が来るのをベッドの中で待っていた。
そんな時に階段を登ってくる小さな脚音が聞こえてきた。
 『トン・トン・トン・トン』
その音の主は、晋二郎の部屋に入ってきて、晋二郎のベッドの下でちょこんとお座りをしてから、晋二郎に向かって、“わん・わん”と声を掛けた。
晋二郎は、ワン吉の1回目の呼び出しの声で、ベッドから起き上がり、ワン吉に向かって、
 『おはようワン吉。』
と、声を掛けながら、ワン吉の頭を撫でてあげた。
ワン吉は、晋二郎に頭を撫でて貰った事に満足して、1階に向かって小気味よいステップで降りて行った。
晋二郎も、ベッドを降りて、パジャマを脱いでから1階に向かって行った。
1階では、既にワン吉が自分の食器の前で晋二郎が来るのを今か今かと待っていた。
そこへ、
 『おはよう、親父、おふくろ。』
と、晋二郎が現れたので、ワン吉は、待ってましたと言わんばかりに尻尾を振りながら、晋二郎を迎えた。
晋二郎は、食卓には座らずに、まず、洗面所で顔と頭を洗ってから、タオルで拭いて食卓の席へと座り、
 『いただきます。』
と、言ってから箸を手に取ってから朝食を食べ始めた。
ワン吉はと言うと、ワン吉も晋二郎の真似をする様に、
 『わん』
と、一鳴きしてから、母親の作った朝食を食べ始めた。
朝食を食べている、晋二郎に向かって、母親が席に座ってから、ある事を聞いてきた。
 『晋二郎。』
 『何だい、おふくろ。』
母親は、手にしていた湯飲み茶わんのお茶を一口飲んでから、
 『晋二郎、“仲田ちえみ”さんの事なんだけど、お前、彼女とお付き合いしているのかい?』
晋二郎は、母親の質問をある意味予測していたため、たいして驚くことなく、正直に話し始めた。
 『うん、そうだけど何か?』
 『いや、お前に彼女が出来て母さんとお父さんは嬉しいんだよ。』
晋二郎は、“チラ”っと母親を見てから、
 『別に、おふくろと、親父の為に付き合っている訳じゃないから勘違いしないでくれよ。』
 『分かっているよ。』
 『ところで、お前は、仲田さんとの結婚を考えているのかい?』
さすがの晋二郎も母親の口から出た、この質問には、驚いてしまったが、冷静さを装って、箸を持ったまま、湯飲み茶わんを手に取ってから、一口お茶を飲んで、
 『いや、まだそこまで考えていないよ。おふくろ。』
 『なんだ、そうかい結婚はまだ考えていないのかい。』
 『ところで、お前は、“ちえみ”さんに、病院の看病のお礼をしたのかい?まだ、していないのら、母さんと、父さんがお金貸すから、ちゃんとお礼はしなさいよ。』
晋二郎は、母親の対応が面倒くさいために、適当に返事を返していた。
 『あー、お礼はしてあるから心配しないでいいから。』
そう、話しながら、晋二郎は、テーブルに箸を置き、湯飲み茶わんを手に取ってから、口に運んでお茶を飲んでから、母親に向かって、
 『はい、ご馳走様。』
 『ワン吉、散歩行くよ。』
そう、ワン吉に向かって声を掛けてから、席を発った。ワン吉も晋二郎の動きに合わせて、玄関に向かって歩き出していた。
晋二郎は、玄関でお座りをしている、ワン吉の頭を撫でてから、首輪に散歩紐を取り付けて、
 『じゃー、行こうかワン吉。』
 『わん』
と、ワン吉も準備OKの旨を晋二郎に返答してから、玄関から下に降りて晋二郎を見ながら、尻尾を振っていた。
そんな、かわいいワン吉の姿を見た、晋二郎は、
 『出発!』
と、言いながら玄関の扉を開けて散歩へと向かった。
 
晋二郎と、ワン吉は家を出てから約30分で自宅へと戻ってきてから、晋二郎とワン吉は、両親に向かって、それぞれ“ただいま”、“わん”と言いながら、晋二郎は、ワン吉の脚を拭いてから2人は部屋へと上がった。
晋二郎は、そのまま洗面所で手を洗ってから、出勤の準備を始めていた。
ワン吉と言えば、何時もの陽の当たる場所で早速寝そべって、眼を閉じながら日向ぼっこを始めていた。
晋二郎は、そんなワン吉に向かって、
 『ワン吉、行ってくるね。』
と、声を掛けてから、靴を履きながら両親に向かっても同じように、
 『行ってきます。』
と、言って玄関を出て、バス停へと向かい、何時もの時間のバスに乗って、何時もの時間の小田急線で、町田駅へと向かった。
これまた、町田駅では、何時もの様に“ちえみ”と待ち合わせをして、何時もの様に煙草を吸い、缶コーヒーをお互いに飲んでから、JRへと向かって何時もの電車で何時もの時間に会社に出社して何時もの時間に帰宅をした。
この週は何もなく、金曜日の帰りに飲んで帰ろうという事になり、晋二郎と、“ちえみ”はこれまた、何時もの店長のホルモン屋:第302に立ち寄ることにした。

 『ガラ・ガラ。』
 『今晩は、店長。』
と、晋二郎が店に入るなり山崎に向かって、挨拶をしたが、返事が無く、山崎の代わりに“裕ちゃん”が、
 『“ちえみ”さん、吉田さん。お疲れ様です。』
 『残念ですけど、今日・明日と店長はお休みです。店長に連絡することが有れば、携帯に連絡してください。』
そう、すまなそうに“裕ちゃん”と大垣が晋二郎と、“ちえみ”に頭を下げてきた。
晋二郎は、2人に手を振ってから、
 『いやー、気にしないで、特に用が有る訳じゃないからさ。何時も、寄っているから店長が居ると思って、声を掛けただけだから。』
そう、話してから、
 『何時もの、オープンテラスいいかな?』
晋二郎の問いに、大垣がどうぞと、指でOKマークを作った。
晋二郎と“ちえみ”も大垣と“裕ちゃん”に向けて指でOKマークを作って見せてから、何時ものオープンテラスに向かった。
椅子に座った、2人に“裕ちゃん”が、おしぼりを持ってきながら、
 『はい、おしぼりです。“ちえみ”さん、吉田さん。』
 『早速ですが、オーダーはどうしますか?今日もホルモン定食+生卵にしますか?』
2人は、顔を見合わせてから、一言。
 『何時もので、お願いします。』
“裕”は、何時ものと言われて、戸惑っていたら、横から大垣が、
 『吉田さん、生、ホルモンとキャベツですね。』
 『はい、大垣君ピンポンです!“裕ちゃん”、惜しかったね。次は頑張ろうね。』
 『はい、吉田さん。私、頑張ります!』
そう、言い残して厨房へと向かった。
再び、“裕ちゃん”が戻ってきた時には、両手に生を持っていた。
 『はい、“ちえみ”さん、吉田さん。生お待たせしました。今日の生は冷えていますから、美味しいですよ!』
2人は、微笑みながら、“裕ちゃん”に向かって、
 『ありがとう。』
と、声を掛けていた。
そんなやり取りしている時、“裕ちゃん”の後ろから、大垣君が、
 『はい、キャベツお待たせです。』
と、言ってテーブルに置いた。
 『ありがとうね、大垣君。』
と、“ちえみ”が大垣に礼に言いながら、
 『ところで大垣君。店長は今日もまさか、名古屋か岐阜に行ったの?』
大垣は、よく聞いてくれました“ちえみ”さんと言わんばかりに、首を左右に大きく振りながら、
 『いいへ、今回は、社員旅行の下見を兼ねて、能登半島のなんとか温泉に行くとか話していましたね。ただ、何時もと違うのは誰かと電話で話していたので、友達と行くんじゃないかなと思いますよ。』
 『ふ〜ん、そうなんだ。』
 『先輩、店長車で行ったんですかね?』
晋二郎は、“ちえみ”の顔を見ながら、頷いて見せた。
 『先輩、店長は今日何の車でしょうかね?』
晋二郎は、“ちえみ”の問いに、首を左右に振ってから、一言。
 『わかんない!』
 『店長は、車好きだからな〜。俺の知っている車だけで、3台だからな。』
そう、言いながら“ちえみ”の顔を見た。
“ちえみ”も晋二郎に応えるように、首を縦に振って見せた。
それから、2人はどちらともなく、笑い出してしまった。
 
その頃、晋二郎、“ちえみ”、大垣と“裕ちゃん”が、自分の事で噂をしているとは、つゆ知らず、山崎は典子と一緒に
能登半島の、和倉温泉の旅館に居た。
 『“てんこ”、どうだい。和倉温泉は?』
 『貴方、ありがとう連れてきてくれて。でも、疑問が有るの?』
山崎は、不思議そうな顔をして、典子の事を見た。
 『岐阜の温泉じゃなくていいの?』
山崎は典子の質問に思わず、笑い出してしまった。典子も山崎を見ながら一緒に笑い出してしまった。
笑い終わってから、山崎が典子に向かって、
 『“てんこ”、こっちにおいでよ。』
 『はい。』
 『“てんこ”、陽が沈むよ、こっちに来て一緒に見ようよ。』
典子は、ベランダに立っている山崎の肩に自分の頭を載せながら一緒に夕陽を眺めていた。
そんな時に、山崎が呟いた。
 『綺麗だね。“てんこ”。』
 『はい、本当に綺麗ですね。日本海に沈む夕陽を見るのははじめてです。機長。』
山崎は、典子の台詞(せりふ)に対して、
 『“てんこ”、違うよ。』
典子は、山崎の肩から頭を離して、
 『なにが、違うんですか?』
山崎は典子を見ながら、
 『“てんこ”、確かに日本海に沈む夕陽も綺麗だけど、君はこの日本海の夕陽にも負けないほど綺麗だよ。俺が、保証するよ。』
そう、典子に話しながら、肩を抱きよせて、典子の綺麗な艶の有る唇に自分の唇を重ねた。それも優しく、そして永く。
山崎が、典子の唇から離れた時、
典子が山崎の胸の中で、ある事を懇願(こんがん)してきた。
 『貴方。私、一緒に居たい。貴方と離れて暮らすことは、私にはできないの・・・・。』
 『そして、私は、貴方の為に毎日美味しいご飯を作って居たいの。』
その時、山崎が、典子に向かって、
 『“てんこ”、御免ね君に言わせてしまって。本当は、今の台詞(セリフ)は、俺が君に言うつもりだったんだよ。』
 『その、予定で今回はここ、和倉温泉に場所を変更したんだよ。』
 『何故、岐阜から、能登に場所を変更したんですか機長。』
 『それは、俺と、君がパイロットとCAだったからだよ。』
典子は、不思議そうに山崎の事を見ながら、
 『どんな、意味が有るんですか?』
 『それは、昔、君と僕が飛行機に乗っていただろ。飛行機に乗っている時は、海っていのは常に鳥観(ちょうかん)で見ていただけだろ。たまには、水平方向から海を見てもいいかなと思ってね。』
 『ただ、それだけだよ。』
典子は、不思議そうに山崎の顔を見ながら、
 『貴方、今一理由が不明だけど、私は嬉しいです。』
山崎が再度、典子の唇に自分の唇を重ねようとした時、室内の電話が鳴った。
 『プルルルル、プルルルル』
その、電話の音に2人は顔を見合わせ残念そうな顔をしてから、山崎が電話に出た。
 『はい、もしもし、408号室ですが何でしょうか。』
 『山崎様ですか。』
 『はい、山崎ですが・・・・。』
 『ご夕食の準備ができましたので、2階の食堂までお越しくださいますようお願いいたします。』
 『はい、分かりました。今から伺います。』
そう、山崎は相手に伝えて電話を切った。
その時、山崎のお腹が、“グー”っと小さな音を立てた。
山崎は、お腹をおさえながら、“典子”に向かって、真顔で伝えた。
 『“てんこ”、行くよ。』
 『貴方、何処へ行くの?』
山崎は、二コリと笑顔で、典子に向かって告げた。
 『“てんこ”、お楽しみの晩御飯のお時間です。日本海の海の幸をいただきに行きましょう。』
典子は、山崎に向かって、
 『貴方、待ってくださいよ。私、お化粧しないと・・・・。』
そこまで、典子が言いかけた時に、山崎が典子の唇の真ん中に指を1本立ててから、
 『“てんこ”、君は今のままでも十分過ぎる程に綺麗だよ。だから化粧なんて今の君には不要だよ。』
そう、典子に伝えてから、手を握り、部屋を後にして2人は2階の食堂へと向かった。
 
2階の食堂に着いて、食堂の入り口で山崎が部屋番号と名前を告げて、案内を待って行った。
 『山崎様、お待たせしました。お席はこちらになります。どうぞ、こちらへ。』
山崎と、典子が案内の仲居さんの後について、席に向かっていると、幾人かの宿泊客がこちらを見ていた。
山崎は、何だろうと思っていたが、答えは直ぐに分かった。
2人が案内された部屋の席に着き仲居さんの説明を聞き終わって、仲居さんが、飲み物の確認をしてきた。
 『山崎様、お飲み物はどうされますか。』
山崎は、典子に向かって確認をしてから、
 『ビールの生中を1つと生の小を1つお願いできますか。』
 『はい、かしこまりました。しばらくお待ちくださいませ。』
そう、仲居さんは、山崎と典子にことわってから、部屋を出て行った。
山崎は、典子に向かって、
 『“てんこ”。君は、本当に美人さんだね。さっき、この個室に来るまでに何人かの人とすれ違ったけど、皆さん、君の事を見ていたよね。』
 『今、こうして浴衣姿の君を見ていると、本当に君の美しさが分かるよ。』
 『貴方、辞めてくださいよ。恥ずかしいじゃないですか。他人(ほかのひと)に聞こえるじゃないですか。』
 『もー、貴方は、本当に変な人。』
典子は、山崎に向かって顔を赤くしながら、文句を言っていた。
山崎は典子を第三者の眼で見ながら考えていた。確かに、典子は身長が169pで髪は黒の長髪でスタイルもいいから、確かに他人から見たら、モデルさんと思われてもおかしくないと。
山崎が、典子を見ながらそんな事を考えていた時、注文していたビールを仲居さんが運んできて、山崎と典子の前に置いてから、
 『山崎様、お料理の方を運んでもよろしいでしょうか。』
山崎は、典子に目を向けて、アイコンタクトで確認をして、その旨を仲居さんに伝えた。
 『お料理お願いします。その前にお願いが有るんですけど、写真お願いできませんか。海をバックに入れて2枚お願いします。』
仲居さんは、快く引き受けてくれて、山崎はカメラを渡した。
 『では、写しますよ。』
仲居さんは、2人に声を掛けてからシャッターを押して1枚撮影した。
 『カシャ』
仲居さんは、2枚目の写真を撮る前に、山崎と典子に声を掛けて、構図を変更する旨の提案をしてきた。
 『山崎様、2枚目は1枚目と異なる構図で写真撮らしていただいても宜しいでしょうか。』
山崎と典子はやや驚きながらも仲居さんを見て、
 『はい、構いませんが。』
仲居さんは、2人の言葉を聞いてから、“ニコっと”笑ってから、構図をきめ出した。
構図が決まったらしく、仲居さんは、山崎のカメラを構えてから2人に向かって、
 『では、2枚目写しますよ。』
仲居さんは、シャッターを押して撮影した。
 『カシャ』
山崎に撮影した画像の確認を依頼した。
 『仲居さん、全然OKですよ。写真お上手ですね。この2枚目のアングル1枚目と若干変更されていていい感じに、家内の顔に影が出ていてバッチリですよ。』
仲居さんは、微笑みながら、頭を下げてから厨房へと向かった。
典子は、仲居さんが自分の視界から見えなくなってから山崎に向かって、
 『ねー貴方、今、私の事なんて呼びました?』
山崎は、写真を見ながら、典子の言葉を意地悪に無視していた。そんな山崎に向かって典子が、
 『ねー貴方、もう1回後で仲居さんに“家内”って言ってくれますか。』
典子も照れ隠しか、山崎にお願いした後に、ビールを口に運んで口に含んだ。
そんな典子を見ながら、山崎が慌てて、
 『“てんこ”、飲んじゃ駄目。』
典子は、驚きながら、口からグラスを外して、
 『どうしたの、貴方!』
 『“てんこ”、お前さ〜、まだ、乾杯していないんだよ。飲むなら、乾杯してから飲んでくれよな。』
典子は、“ハット”して驚いてから、山崎に向かって、
 『貴方、ごめんなさい。』
 『私は、飲んでいないからね、グラスに口を付けただけだから・・・・、ごめんなさい。』
山崎は、謝る典子の頭を軽く“コツン”と小突いて、“ニコっと”笑いかけてから、
 『“てんこ”、許してあげるよ。』
 『ありがとう、貴方。』
そのまま、2人は、お互いにグラスとジョッキを手にして、声を合わせて、
 『乾杯』
と、声に出してジョッキとグラスを軽くぶつけ2人は、それぞれ口に運んで、ビールを飲んだ。
山崎は、ジョッキをテーブルに置いてから。
典子を見て軽く頷いてから、テーブルの上の典子の左手に自分の手を載せて、
 『“てんこ”、好きだよ。これからもこうして一緒に温泉にきたいね。』
典子も、嬉しそうな笑顔を作って山崎に向かって、
 『はい、貴方。これからも宜しくお願いしますね。』
 『はい。了解だよ。』
その時、山崎の個室の扉をノックする音がして、慌てて山崎は典子の左手から手を離して、
 『は〜い、どうぞ。』
と、扉をノックした相手に応えた。
山崎の声に反応するように、扉が開いて、仲居さんが料理を運んできて、2人のテーブルに料理を並べて置きだした。
テーブルに並べられた料理を見て2人は、
 『貴方、お料理凄いですね。とても美味しそうよ。』
山崎も出された料理を見て、驚きながら、典子に同意するように、仲居さんに向かって、
 『凄いお料理ですね、なにか箸をつけるのがもったいないですね。』
仲居さんも、微笑みながら頷いて、
 『山崎様、お料理は眼で楽しんでから、お口で味わってください。』
そう、話してから2人に頭を下げてから部屋を出て行った。
山崎は、典子に向かって、
 『さー食べようか、“てんこ”。』
そう、言いながら箸を手にした山崎を典子が見て、
 『貴方、まだ、箸をつけるのは待ってください。』
 『なんで、“てんこ”?』
 『今、仲居さんが説明されたじゃないですか、まず、眼で楽しんでから、箸をつけるって、忘れたんですか?』
山崎は、“いっけねー”と言う顔を典子に見せてから、箸を箸置きに置いてから、片手にカメラを持って眼で楽しみだした。また、気にいった料理は自分の店の料理に反映させたいために、カメラで撮っていった。
一通り眼で料理を堪能した2人は箸を手に取り料理を食べ始めた。
料理を食べ始めてから、山崎はビールが亡くなっていることに気がついて、テーブルに設置されている呼び鈴を押して、仲居さんを呼んで追加で瓶ビールを1本とグラス2個を頼んだ。
 『“てんこ”、まだ飲めるよね。昔の“てんこ”は結構いける口だったよね。』
 『貴方、今は私そんなに飲めませんからね。それよりもお料理が美味しくて食べるのに忙しいんです。』
そう、言いながら、典子は色々な料理に箸をつけて、片っ端から食べて行った。
山崎は、仲居さんが運んでくれた、瓶ビールを典子にグラスに注いでもらい、料理を堪能していた。
料理を食べている典子に向かって、山崎が質問をした。
 『“てんこ”、君の舌でこの料理の評価はどうだい。100点満点でどの程度かな。感想を聞かせて欲しいんだけどどうかな。』
典子は、山崎の顔を見ながら、指で、“8”を作って示した。
山崎は、頷きながら典子を見て一言。
 『さすがだね、“てんこ”。』
 『俺も、同じだな。でも、君は本当に凄いな感服するよ君の特技には。』
そう言いながら、山崎はグラスを煽っていた。
2人は、一通り料理を食べ終わったため、呼び鈴で仲居さんを呼んで、食後のお茶をお願いした。
仲居さんが来るまで、山崎は典子に向かって、明日の予定を説明していた。
 『“てんこ”、明日なんだけど何処か行きたいところはあるかい?』
典子は、山崎の質問に考えながら、口を開いて、
 『貴方、出来る事なら、軍艦島に行ってみたわ。私、行った事ないの。』
山崎は、能登の軍艦島の話は、晋二郎から聞いていたので場所は分かっていたので、
 『“てんこ”、OKだよ。明日は、能登半島を廻ってから、帰ろう。』
 『はい、貴方。』
2人は仲居さんが運んできてくれた、お茶を飲んでから部屋に戻るため席を発った。
食堂を出るときに、担当した仲居さんが居てくれたので、彼女に向かって山崎は、
 『仲居さん、写真を撮っていただきありがとうございました。あんな美人の家内を見たのは、結婚式依頼ですよ。本当にありがとうございました、また、ご飯も美味しくいただけて嬉しかったです。明日の朝食時にお会いできると嬉しいです。』
仲居さんと山崎の話が終わった時、典子が仲居さんに向かって、
 『ほんと、私の事をあんなに上手に撮影していただき、ありがとうございました。大切にさせていただきます。』
話が終わって、2人は仲居さんに頭を下げてから食堂を後にして部屋に向かった。

部屋に戻るためエレベーターに乗っていた時、典子が山崎に向かって、
 『貴方、ありがとう。さっき仲居さんに、“家内”って言ってくれたのが嬉しかったは。』
山崎は、典子の顔を見ながら、
 『だって、約束したじゃないか“てんこ”。』
 『俺、嘘は嫌いだからね。』
そう、典子の耳元で呟いて、引き寄せた。
 
第4-2章:能登空港で・・・・。 に続く。





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