おやじの趣味

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2019/08/13 21:30:00|おはなし
おはなし : 外伝『山崎。』  第3-3章 : 報告
外伝 : 『山崎。』
第3-3章:報告

山崎は、各務ヶ原ICから一路東名高速道路を目指してソアラを走らせ車内時計で時間を確認してからややアクセルを踏み込み横浜ICを一路目指した。
 『8時半か、ここからなら、約3時間見ておけば自宅には到着できるな。』
 『ガスは半分以上有るか、これなら家まで帰れるな。』
山崎は、ソアラの燃料系を見ながら呟いていた。
出勤時間を過ぎた東名高速は空いていて非常に走りやすいため、山崎はついつい、アクセルを踏み込みがちになっていた。
そんな時、山崎の走る走行車線の右横の追い越し車線を愛知県警のパトカーが、ソアラを威圧するような速度で追い抜いて行ったのを見た、山崎は、
 『速〜な〜(はえーな)、あのパトカー何キロ出してんだ。あのままアクセル踏んでなくて良かったよ。』
 『危ない、危ない愛知県と静岡県は取り締まりが厳しいんだよね。』
と、言いながらアクセルから足の力を抜いて100q/h+αの速度で走るように心掛けた。
それからはナビゲーションで好きな曲を聞きながら、快調にソアラを運転し一路、町田の自宅を目指した。
 『それにしても平日の東名高速は空いていてほんと走りやすいな。こんなに通行量が少ないのなら、いっそ無料化にすればいいのに。』
と、1人呟いていた。
走り始めて約1時間が経過したので、山崎は浜名湖SAで休憩を摂ることにしてソアラをSAに滑り込ませた。
山崎は、ソアラから降りて、1回大きな伸びをした。
 『あ〜っ、あ〜気持いい。伸びすると気持ちがいいよ。』
そう、呟きながらトイレに向かって歩き出した。
トイレの帰り、自動販売機で缶コーヒーを購入し、缶コーヒーを持って喫煙場所に歩いて向かった。
喫煙場所で、煙草に火を付け吸い始めた。
山崎が、落ち着いて煙草を吸っていた時、同年代とみられる、男性が、軽く会釈して山崎に話しかけてきた。
 『あの、もし間違っていたら申し訳ないんですが、あのソアラですが、貴方のですか?』
山崎は訝しげな顔をしながら、男の問いに頷きながら、
 『私のソアラですが、なにか?』
 『いや〜、実は懐かしくて思わず声を掛けさせてもらったんですよ。実は、私も、貴方と同じ型の3L(さんリッター)に乗っていたんですよ。』
山崎は、なんとなく、嬉しくなり、笑顔で男性と煙草を吸いながらソアラの話に花を咲かせていた。
 『ナンバーが“3”なんで、同じ3Lですよね。』
山崎は、頭を掻きながら、
 『いやー、私のは本当は2LのTWIN-Turboなんですよ。でも、1度エンジンを壊して2.5L(型式:1JZ-GTE)に積み替えて、有るんですよ。』
 『へー、凄いですね。あのエンジンは早かったですよね。私は、スープラ2.5にも乗っていたんで分かりますよ。あと、あのソアラ“マニュアル”ですよね。音を聞いて確信したんですが違いますか?』
 『はい、私はマニュアルが好きなんで、探しましたよ。マニュアルのソアラは、100台作って、2台有るかどうなので探しましたよ。』
 『ですよね。』
そう、話しながら2人は笑っていた。
その後、話しかけてきた男性は、会釈をして自分の車に戻って行った。
山崎も彼との話が終わったので、自分のソアラに戻って、自宅を目指して浜名湖SAを後にした。

その頃、晋二郎と“ちえみ”は、会社で通常業務をこなしていた。
10時の休みに、晋二郎のPCに“ちえみ”からのメールが届いたが、晋二郎は喫煙室で職場仲間と煙草を吸っていた。
休み時間終了の音楽と共に席に戻った晋二郎はPCの画面を見てメールの着信に気がつき早速確認することにした。
 『うん、メールか、誰だ?“ちえみ”からか、読んでみるか。』
晋二郎が、メールを開けるとそこには、
 『先輩、土曜日はありがとうございました。
  当日、撮った先輩のご家族との写真送りますから、ご両親にお渡しくださ
  いね。
  あと、ワン吉にも、私が宜しく言っていたと説明してください。
  説明しないとワン吉が拗ねますからね(笑)宜しくお願いします。
  また、帰る前に連絡しますね。
  
  “ちえみ”より。』
晋二郎は、慌てて、メールの画面を消して、素知らぬふりで仕事を再開したが、ただ“ちえみ”にはメールで一言、“ありがとう”と返事を返していた。
そのまま、晋二郎も“ちえみ”も業務をこなしていた。
 
自宅に着いた、山崎はコーヒーを淹れてから、典子との約束を守るために、メールを書いていた。
 『“てんこ”へ
  “てんこ”。仕事お疲れ様。
  君が、俺のメールを読むのは恐らく帰宅の時かなと考えながらメールを
  書いています。
  自分は、さっき自宅について、これからお店の開店準備でもー少ししたら
  自宅を出ます。
  “てんこ”、土曜日、日曜日の2日間共に俺に付き合ってくれてありがと
  う。
  なんて、書けばいいか分からないけど、女性宛てにメールを書いたことが
  無いから上手く書けなくてごめんね。
  だけど、これだけは書けるよ。
  “てんこ”、愛しているよ!
  早く、来週が来ないかと考えながら今日もこれから仕事に励んできます。
  では。
  
  おまけ。
  帰りの高速道路では君との約束をちゃんと守ったよ!』

典子宛のメールを書き終わった山崎は、送信してから、カップに残ったコーヒーを飲み欲してから自宅を出て、歩いて約30分の場所にある店に向かって歩き出した。
店に着いた山崎は、戸板を外し、店の横に立てかけてから、店に入り仕込みの準備を始めた。
 『1時か、あと“バイト”君たちが来るまで4時間頑張るか。』
そう、言いながら冷蔵庫からホルモン等を出して仕込みに掛かっていた。
山崎が、“たれ”のチェックをしている時に、“おはようございます”の声が聞こえた。
 『店長、おはようございます。』
山崎は、声のする方を見て驚いて声を上げてしまった。
 『なんだよ、“裕”。お前今日、学校はどうしたんだ。』
“裕”は苦笑いしながら、山崎に向かって、
 『実は午後の講義の教授が風邪で休むという事で突然休講になったんです。だから、バイト早めに来たんです。駄目ですか、店長。』
山崎は、“裕”の顔を見ながら、
 『分かったよ、“裕”。仕込み頼むよ。』
 『はい。了解しました店長。』
そう、言いながら、ロッカーへと向かった。
着替え終わって出てきた“裕”に向かって、山崎が、
 『“裕”お前昼めし食べたのか?』
“裕”は、苦笑いしながら、首を左右に振って、
 『食べていないんです。だから、お腹空いちゃって・・・・。』
“裕”が、山崎に言った時、お腹から、いい音が聞こえた。
 『グ〜、キュル〜。』
山崎はその音を聴いて、思わず笑いだしてしまった。
 『ごめん、“裕”。今、簡単で悪いんだけど、“まかない”作ってあげるから待っていてくれよ。』
“裕”は、笑顔で山崎に向かって、
 『店長、ありがとうございます。“まかない”宜しくお願いしますね。』
 『その変わり、“まかない”分頑張って働いてくれよ。俺の勘では、今日、吉田さんと“ちえみ”ちゃんが来そうな予感がするんだよ。』
 『本当ですか、店長。』
 『あ〜、でも、俺の勘だよ。』
そう、話しながら、山崎は“裕”の“まかない”を皿に盛ってから、“裕”に、
 『“裕”、“まかない”できたよ。早く食べて、仕事頑張ってくれよな!』
 『はい、店長任せてください!』
山崎に、向かって“裕”は、何時もの様に指でOKマークを作って見せた。山崎は、“裕”の作ったOKマークを見て思わず笑ってしまった。
山崎と、“裕”は、開店前の準備をしていた時に、
 『おはようございます。』
 『おは〜す』
等と、挨拶をしながら、バイト君たちがやってきたため、山崎は岐阜のお土産のお菓子をバイト君たちに配り始めた。
副店長の大垣が山崎に向かって、
 『店長、今回は何処に行ったんですか?』
 『お〜今回は、30年ぐらい前の車で岐阜まで行ってきたよ。今回は楽しかったぜ。』
 『車は、何ですか?』
 『知っているかな〜、車はソアラの2.0Twin-Turbo改だよ。』
 『店長、なんですかその車?』
 『メーカーは何処ですか?』
山崎は、“は〜”っと溜息をつきながら、アルバイト君たちに向かって、
 『TOYOTAの車だよ。』
と、説明をしていた。
話も、一段落して、山崎が店内の時計で時間を確認してから、全員に向かって、声を掛けた。
 『じゃー、皆今日も頑張って仕事してください。』
 『夕ご飯は、大垣、悪いが今日はお前に頼むよ。』
大垣は、山崎に指名されてやや緊張した面持ちになったが、
 『分かりました。店長。』
と、返事を返した。
 『じゃー、店の看板に灯を入れるぞ。』
 『はい。』
と、全員で返事を山崎に返した。それを確認した山崎は、看板の“第302”に灯(ひ)を入れた。

晋二郎は“ちえみ”からの連絡をまっていたが、連絡が無い為、会社を出て何時もの駅前の電気屋でこれまた何時ものようにプラモデルを見ていた。
実は、今日は晋二郎の好きな漫画家のキャラクターのプラモデルの発売日であった。晋二郎は、特に購入予定はなかったが、何気に気になったために電気屋に立ち寄ったのである。
晋二郎は、早速キャラクターのプラモデルを手に取ってパッケージを見ていた。
この、プラモデルは戦車なのであるが、晋二郎の好きなドイツ戦車の為入念にチェックしながら、価格を確認して、
 『¥5000-か、購入できない価格ではないな。』
 『ベルリンの虎か・・・・。いいな・・・・。どうしようかな・・・・。』
と、呟きながら迷っていた時に、これまた何時ものようにポケットに入っているスマフォが振動した。
晋二郎は相手が、“ちえみ”だと予想はついたが、念のため、画面で確認してから、メールを読み始めた。
 『先輩、お疲れ様です。
  ちえみ”です。
  今、何処にいますか?
  仕事が終わったので、一緒にご飯食べてから帰りませんか?
  連絡、お願いします。
  では。』
晋二郎は、メールを読んでから、直ぐに返信を入れた。
 『“ちえみ”へ
  晋二郎です。お疲れ様。
  今は、何時もの電気屋の何時もの場所で新作見ています。
  では。』
ほんと、簡単だが晋二郎は“ちえみ”に晋二郎らしいメールを返信した。
しばらくしてから“ちえみ”から返信が届いた。
 『先輩、そこを動かないでくださいね。今から、そこに行きますので、10分程度で着きますので動かないで待っていてくださいね先輩。いいですか絶対ですよ。』
晋二郎は、“クスっと”笑いながら、了解した旨の返信を“ちえみ”に送った。
返信を返した後、晋二郎は、前と同じようにベルリンの虎のパッケージを見ながら悩んでいた。
 『どうしよう、買おうかな・・・・。買うのを“ちえみ”に見られたら、あいつ、怒るだろうな。』
等と、ぶつぶつ呟きながら、パッケージを手に持って悩んでいた。
その時、晋二郎の後ろから、“駄目です”!と声を掛けられ、慌てて後ろを振り向くと、そこには“ちえみ”が立っていて、晋二郎に向かって、
 『お待たせしました。先輩。』
と、声を掛けてきて、晋二郎に向かって、
 『先輩、お小遣いの無駄使いは駄目ですからね。ご両親、特にお母様には、土曜日言われていましたよね。』
晋二郎は、“ちえみ”の口から出た言葉に、“ひき”ながらも、
 『分かっているよ。“ちえみ”。ただ、パッケージを手に取って見ていただけだよ。』
“ちえみ”は晋二郎の顔を見ながら、
 『ほんとですか先輩〜。』
と、笑いながら晋二郎の顔を見ていたが、いきなり晋二郎の横に立って腕を組みながら、
 『先輩、今日、店長のところは駄目ですか?』
晋二郎は、“ちえみ”の顔を見ながら、
 『お前、本当にホルモン好きだよね〜。』
と、半分呆れたような声で“ちえみ”に確認していたが、少しの時間思案してから、
 『わかったよ、“ちえみ”。町田駅まで行こう。』
その声に、“ちえみ”は頷いて見せた。
駅前の電気屋を後にして、2人は駅に向かって歩き出した。
そのまま改札を抜け、ホームで電車を待っていた時、
 『先輩、土曜日の私は先輩のご両親から見てどうでした?私が帰ったあと何か言っていませんでしたか?』
晋二郎は、“ちえみ”を見つめながら、
 『何もなかったよ。強いて言えば親父が、可愛い娘(こ)だと言っていたね。』
“ちえみ”は、晋二郎の話に頷きながら、“他には”と色々確認してきた。
 『う〜ん、他にはね〜そうだね。話が上手だと言っていたよ。ちゃんと、順序立てて話をするから話を聞いていて理解しやすいって言っていたな。』
 『うん、確かに“ちえみ”は話をするのが上手だもんな。それに活舌がいいよね。羨ましいよ。』
2人で土曜日の話が弾んでいた時に、電車入線のアナウンスが流れ、アナウンスが終了すると同時に電車が入線してきた。
そのまま、2人は電車に乗り込んで町田駅を目指した。
車内でも、2人は土曜日の話で盛り上がっていた。
 『先輩、町田駅に着きましたよ。行きますよ。』
そう、晋二郎に話しながら“ちえみ”は改札を抜けてから晋二郎の腕に自分の腕を何時もの様に通して店長の店、第302を目指して仲良く歩き出した。
 『ガラ・ガラ。』
山崎が、扉の開く音で来店と分かり、声を出した。
 『いらっしゃいませ。』
振り向きながら、山崎に向かって、何時もの様に、
 『オープンどうですか?』
と、晋二郎の声に山崎は指でOKマークを作りながら、
 『どうぞ〜!』
と、返事を返した。
晋二郎と“ちえみ”は、そのまま何時ものオープンテラス席に座った。
2人が座った事を確認した、“裕ちゃん”がおしぼりを手にしながらオープンテラス席にやってきて、
 『吉田さん、“ちえみ”さん、お疲れ様です。』
 『“裕ちゃん”もお疲れ様。』
 『今日は、何にしますか?それとも、何時物にしますか?』
晋二郎と“ちえみ”は、少し考えながら、“裕ちゃん”に向かって、
 『とりあえず、生、2個ね。』
 『後は、少し考えさせてくれないかな?』
 『分かりました。とりあえず生持ってきますね。少し待っていてくださいね。』
そう、言ってから“裕ちゃん”は、厨房に戻って行った。
晋二郎と、“ちえみ”は、“裕ちゃん”が戻って行ったのを確認しながら、
 『“ちえみ”今日は何にしようか?』
“ちえみ”は少し考えながら、晋二郎に向かって、
 『先輩、“あれ”にしませんか?』
 『“あれ”にしようか。美味しいもんな。』
2人はそう、言いながら、“裕ちゃん”が戻って来るのを待っていたその時、山崎が声を掛けてきた。
 『吉田さん、“ちえみ”ちゃん、今晩は。お仕事お疲れ様でした。』
 『あっ、店長お疲れ様です。』
そう、山崎に向かって、晋二郎と“ちえみ”が声を掛けた。
山崎は、ニコニコしながら、2人に向かって、
 『吉田さん、“ちえみ”ちゃん、今日は2人にお土産が有るから後で渡すからまだ帰らないでくださいね。』
 『はい、了解です店長。』
そう、返事を返した“ちえみ”が店長に指で何時もの様にOKマークを作って見せた。
その時、“裕ちゃん”が生を2個持って、3人の居る席に戻ってきて、
 『吉田さん、“ちえみ”さん、生お待たせしました。どうぞ、冷たいうちに飲んでくださいね。』
 『ありがとう、“裕ちゃん”。』
と、“ちえみ”が声を掛けてから、料理の注文をお願いした。
 『はい、“ちえみ”さん、ホルモン定食2個と生卵2個ですね!了解しました。裕が心を込めて、準備させていただきます。』
と、言いながら、厨房に戻って行った。
そんな、“裕ちゃん”の後ろ姿を見ながら、晋二郎が“ちえみ”に向かって、
 『“ちえみ”、“裕ちゃん”可愛いよね。一生懸命バイトしているよ。他のお客さん受けもいいようだしね。』
“ちえみ”も、晋二郎の話を聞いて、
 『そうですね、“裕ちゃん”は、若いから可愛いですよね。先輩。』
山崎は、“ちえみ”の微妙な声の変化に気がついたので、2人に向かって、
 『吉田さん、“ちえみ”ちゃん、ゆっくりして行ってくださいね。』
と、声を掛けてからオープンテラス席から離れて行った。
“ちえみ”は、山崎が奥に消えて行ったのを確認してから、
 『先輩は、若い子が好きなんですか?』
晋二郎は、“ちえみ”が何を言っているのか分からなくて、
 『いや、俺は、“ちえみ”が一番好きだよ。』
と、“ちえみ”に向かって、真顔で答えた。
“ちえみ”は、そんな、晋二郎を見ながら、自分の顔を晋二郎の左頬にそっとくっつけてから、晋二郎の耳元で、
 『だから、私は、先輩が好きなの。』
そう言いながら、晋二郎の耳朶にそっとキスをした。
そんな、時に“裕ちゃん”が、
 『お待たせしました。ホルモン定食+生卵になり・・・・ます。』
 『ごめんなさい、“ちえみ”さん。』
 『あの〜、私、見る気は無かったですからね・・・・。』
 『ごめんなさい。“ちえみ”さん』
そう、言いながら、“裕ちゃん”は顔を赤くしながら、厨房に急いで戻っていってしまった。
 『“ちえみ”、何してんだよ。“裕ちゃん”が驚いていたじゃないか。』
 『ごめんなさい、先輩。』
 『私、先輩の事が好きだから・・・・。』
“ちえみ”は晋二郎にそう言いながら、下を向いてしまった。
そんな、“ちえみ”に晋二郎は、
 『“ちえみ”、心配することは無いよ。俺には君しか居ないんだから。』
 『俺も、“ちえみ”が好きだからね。だから、一緒に焼いて食べようね。』
“ちえみ”は、顔を上げ晋二郎に向かって、
 『はい。先輩。』
 『先輩、出来る事でしたら、もー一度、私の事を好きって言っていただけますか。』
晋二郎は、真顔になりながら、“ちえみ”に向かって、
 『“ちえみ”俺には君しか居ないんだよ。“ちえみ”好きだよ。』
そう、話しながら2人はニコリと笑ってから、それぞれの定食のホルモンを箸に取り網の上に置いて焼き始めた。
ホルモンが焼けるまでの間、2人は“裕ちゃん”が持ってきた、生を飲み始めた。
 『“ちえみ”、乾杯。』
そう、言って2人はジョッキを軽くぶつけてからそれぞれ飲み始めた。
晋二郎の事を見ていた、山崎は、
 『吉田さん、やるな。上手に“ちえみ”ちゃんを扱っているな。』
そう、呟きながら独り頷いていた。
晋二郎と、“ちえみ”はそれぞれにホルモンを焼きながら、第302自慢のホルモン定食を堪能していた。
時折、2人は食べながら目を合わせては、微笑みあっていた。
そんな、2人を“裕”が羨ましそうに見ていた。
 『“ちえみ”さん、楽しそうでいいな。羨ましいわ。私にも彼氏できないかな?』
そんな事を思って、“裕”は洗い物をしていた。
晋二郎と“ちえみ”は2人して、ホルモン定食を完食してから、仲良く生を飲んでいた。
その時、山崎が晋二郎達のオープンテラスにやってきて、
 『吉田さん、“ちえみ”ちゃん。』
晋二郎が、山崎の方が見ながら、
 『どうしました、店長。』
 『はい、これ、私から2人へのお土産です。』
そう、言いながら山崎は晋二郎と“ちえみ”にお土産の入った紙袋をわたした。
2人は顔を見合わせながら、紙袋を開けてみた。
 『キャー、可愛い!これ、ぞうさんですよね。』
吉田は、“ちえみ”に頷いて見せた。
 『先輩、見てくださいよ。これ、ぞうさんのイラストの入ったTシャツですよ。いいでしょ。』
 『店長、ありがとうございます。遠慮なく使わせていただきますね。』
山崎にお礼を言った、“ちえみ”は晋二郎に目を向けて、
 『先輩は、何が入っていましたか?見せてくださいよ先輩。』
“ちえみ”は晋二郎の紙袋を取り上げてから、袋の中を覗き込んで見た。
 『先輩。私と同じTシャツですね。先輩、いいじゃないですかこれ!』
 『車のイラストが描かれていますよ。』
 『先輩、この車の名前なんですか?教えてください。』
晋二郎は、はしゃぐ“ちえみ”に向かって、
 『“ちえみ”、その車はトヨタのTOYOTA2000GTだよ。』
 『そうなんですか、かっこいい車ですね。』
 『よかったですね先輩。』
晋二郎が、山崎にお礼を言おうとした時、“ちえみ”が、急に声を上げた。
 『ずる〜い、店長。』
山崎が、“ちえみ”に向かって、
 『何が“ずるい”の?』
 『だって、店長!先輩はもう1個余計に入っているじゃないですか?』
山崎は、“ちえみ”の言葉を聞いてから、急に笑い出して、
 『“ちえみ”ちゃん、よく見て御覧よ。』
“ちえみ”は、山崎の言葉を聞いてから、再度袋の中を見てから、“それ”を取り出した。
 『うっそー!先輩、可愛いですよ。これ、見て、見て、先輩。』
 『これ、私が預かってもいいですか?』
晋二郎は、“ちえみ”を見ながら、
 『“ちえみ”、それは、どうやってもお前には着れないぞ!』
“ちえみ”は、晋二郎の言葉に、呆れながら、
 『先輩、馬鹿なこと言わないでください。”ちえみ”は怒りますよ。』
 『じゃー、それどうするんだよ?そのシャツは、誰のか知ってるのかよ?』
“ちえみ”は頷きながら、晋二郎に向かって、
 『当たり前じゃないですか、ワン吉用ですよね、店長。』
山崎は、2人に向かって、笑いながら頷いて見せた。
 『だから、先輩は鈍いですね。ほんと、嫌になる!』
 『だから、今度、私が先輩のお家に行ってワン吉に着せてあげるんですよ!きっと、お父さんとお母さん喜びますよ。』
晋二郎は、“な〜んだ”と言った顔をして“ちえみ”を見た。
 『うん、分かったよ。じゃー“ちえみ”に預けるからワン吉に着せて御覧。』
 『ほんと、いいんですか?』
 『あー、いいよお前に預けるよ。』
“ちえみ”は、嬉しそうに晋二郎に向かって、
 『ありがとうございます。先輩。』
そう、言ってから、ワン吉のTシャツを綺麗に畳んで自分のお土産の紙袋の中にしまった。
2人は、再度、山崎に向かって、
 『店長、本当にありがとうございます。気を使っていただいて申し訳なかったです。』
 『今回は、何しに行ったんですか?』
山崎は、嬉しそうな顔をしてから口を開いた。
 『吉田さん、今回はソアラで走ってきたんですよ。』
晋二郎は、黙って頷いて見せた。
 『どの位走ったんですか?』
 『そうですね、往復で約1000qで、燃費は約12.4q/Lでしたね。』
晋二郎は、驚いたような顔で、
 『店長、燃費いいですね。』
 『えーそうですね。今のエンジンと車体のマッチングが良いと思いますよ。』
 『そうですね。今のエンジンは、あのエンジンですか?』
山崎は、頷きながら、
 『そうですよ。親父さんが組んだ最後のエンジンです。』
晋二郎は、しみじみと頷いてから、山崎に向かって、
 『店長、今度、俺にもソアラを運転させて貰えませんか?』
山崎は、晋二郎に向かい一つ返事で、
 『OKですよ。いつでも連絡ください吉田さん。』
 『ありがとうございます店長。』
2人は、笑顔で頷いていた。
そんな、2人を“ちえみ”が覚めた眼で見ていた。
 『ところで、“ちえみ”ちゃん、聞いてもいいかな?』
 『はい、何ですか店長。』
 『さっき、ワン吉のシャツを自分でワン吉に着せるとか言っていたじゃない。』
 『はい、話しましたけどそれが、何か?』
 『もしかして、あれからも吉田さんの家に行っているの?』
“ちえみ”は、不思議そうな顔をして山崎を見ながら、
 『はい、この前先輩のご両親に犬山の時のお礼だと言われて先輩の家に招待されたんですよ。』
山崎は、マジかよと言った顔をしながら、晋二郎の事を見た。
当の晋二郎は、山崎の動きを予測していたのか分からないが、1人煙草を吸っていた。
そんな、晋二郎に向かって、山崎が、耳元であることを呟いた。
 『吉田さん、身を固めるんですか?』
 『もし、よろしければ、私が、吉田さんの単車引き取りますよ。どうですか?』
晋二郎は、煙草に咽(むせ)ながら、山崎に向かって、
 『店長、なに、冗談を言っているんですか?両方とも当分ないですから。』
そう、言いながら1人苦笑してから、残りの生を一気に飲んでから、山崎にお代わりを注文した。
そんな、晋二郎に向かって、山崎が、一言、
 『了解!』
と言いながら、厨房に消えて行った。
晋二郎を見ていた、“ちえみ”もやや遅れてから、生を飲み干してから、自分で厨房に向かって歩きだして、
 『店長、お代わりお願いできますか。』
“ちえみ”を見た山崎が、
 『“ちえみ”ちゃん、良かったね!吉田さんの家に行けて。』
“ちえみ”は山崎に向かって、“はい”と笑顔で頷いて見せた。
そのまま、“ちえみ”はジョッキを山崎に預けてからオープンテラス席に戻ってきた。
 
第3-4章:昔の話ですよ。 に続く。





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