おやじの趣味

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2018/12/16 19:33:00|おはなし
軽キャンで行く4泊5日の旅 第五章 : 5-1.最終章。
第五章 : 5-1.最終章。

その後
晋二朗・“ちえみ”とワン吉の3人で行った4泊5日の軽キャンの旅が終わってから、1ヶ月が過ぎた。
11月の或る日、休憩中の仕事中の晋二朗のスマ―トフォンに1通のメールが届いた。
お昼休み時間の事もあり、送信者を確認してメールを読み始めた晋二朗。
 『細川刑事からのメールか、なんか懐かしいな。』
 『なにか、あったのかな。』
晋二朗は、独り言を呟きながら細川刑事からのメールを読み始めた。
しばらくして、メールを読み終わった晋二朗は、席を立ちトイレへと向かった。
トイレでは個室に入るなり用を足すわけでもなく、1人声を殺して泣いた。休み時間を1人トイレで泣いて過ごした。
トイレを出ると同時に午後の始業のチャイムが鳴り、トイレから直接実験室へと向かった。
向かう途中再度、細川刑事からのメールの内容を確認し、確認を終えた後に“ちえみ”にメール送った。
内容は、
 『仲田、今日の帰り町田の何時もの店に行かないか。都合が悪ければその旨返信頼む。』
送ってすぐに、“ちえみ”から返信が届いた。
 『先輩、お久しぶりです。了解です。7時にお店で!』
実は、晋二朗はこの1ヶ月の間、“ちえみ”とは連絡も取らず、会社ですれ違っても挨拶をする程度で終わっていた。
”ちえみ”もそんな晋二郎に対して無理には声もかけずにいたのである。

午後は特にメールのやり取りもなく、2人はそれぞれの職場で仕事をこなし、終業のチャイムと同時に退社した。
晋二朗は何時もの店(町田のホルモン屋)に、“ちえみ”と約束した待ち合わせ時間の7時8分前には、店に到着していた。
晋二朗は、店に入るなり、
 『店長、こんばんは!お久しぶり。元気だった?』
と、店長に声を掛けた。
晋二朗の姿を見るなり、店長は、やや驚いた顔をして、
 『吉田さん、お久しぶり!元気にしていましたか?』
 『どうしたんですかこの1ヶ月。出張にでもいかれてたんですか。』
 『ま〜、何とか元気にしていましたよ。』
 『その、ちょっと、色々有ってね。少しの間1人で考え事していたんですよ。』
 『そうですか。 色々あったんですね。』
店長は、晋二朗の目を見て答えた。
その後、話題をかえるように、
 『ところで、吉田さんの可愛い彼女、“ちえみちゃん”は今日一緒じゃないんですか?』
店長は晋二朗に向かって喋りながらも、何気に晋二朗の後ろを気にしていた。
 『あ〜、仲田ですか。 店長、心配しなくてもいいよ。後で来るから。』
 『それから、何時もの場所今日空いてる?』
 『吉田さん、あの席は吉田さんと“彼女”の指定席じゃないですか。』
 『他の人には座らせていませんから、いつも空いていますよ。』
 『ありがとう店長。』
店長に礼を言ってから、晋二郎は何時ものオープンテラスの席に座った。
席に座って、“ちえみ”が来るのを1人待った。
席に着いてスマーフォンを確認すると、1通のメールが届いていた。
メールの内容を確認すると、“ちえみ”からであった。
 『先輩、今日少し遅れますので先に飲んでいてください。』
読み終えた後に、晋二郎は煙草に火つけた。
煙草を1口吸い込んでから、店長に、
 『店長、生:1個お願い!』
 『はい、喜んで。』
 『吉田さん、つまみはどうしますか?』
 『じゃー、取り合えずキャベツお願い。』
 『ホルモンはどうしますか?』
 『あいつが来てから頼むので、用意だけしておいてください。』
 『はい、了解です。』
しばらくして店長が生とキャベツを持ってきた。
でも、不思議なことに生は2個、それにまだ頼んでいないホルモンが一緒に用意されていた。
晋二朗は、店長に向かって、
 『店長!間違えないでくださいよ。まだ、仲田は来ていないんですから。』
 『吉田さん。』
店長は、晋二朗の名を呼びながら目で合図を送った。
晋二朗は、店長の“それ”に気が付いて、入り口を確認した。
 『先輩!』
そこには、“ちえみ”が立っていた。
店長は、”ちえみ”に向かって、
 『いらっしゃい、”ちえみ”ちゃん。』
そう、言いながら、
何時ものセットを置いてから厨房に戻った。

晋二郎は、なんとなく気まずい感じで”ちえみ”の顔を見ないで、煙草を吸っていた。
煙草を消した後、
 『仲田、思ったより早いじゃないか?』
 『どうした。』
 『はい、ちょっと会社の近所のカメラ屋に寄ってきたものですから。』
 『デジタルカメラでも買ったか?買うなら相談してくれよアドバイスするからさ。』
 『いや、そうじゃないんですよ先輩。』
 『じゃーどうしたんだい。』
 『写真取ってきたんです。』
晋二郎は、”ちえみ”の顔を見ないまま、
 『へっ。』
と、言う顔をした。
そんな、晋二郎に向かって、”ちえみ”が、
 『先輩、まず乾杯しましょ。』
晋二郎は、生を手にして、
 『お疲れ様』
と、言って、”ちえみ”と乾杯した。

晋二朗が、ジョッキをテーブルに置いたのを確認してから“ちえみ”も、ジョッキをテーブルに置いて、
 『先輩、なんで私の事見ないで話をするんですか?』

 『私、旅行中に先輩に何かしましたか?』
 『先輩、この1ヶ月間どうしてたんですか?』
 『会社ですれ違っても私を避けるようにしていませんでしたか?』
 『それとも、先輩は私が嫌いなんですか?』
“ちえみ”は、やや涙声で矢継ぎ早に晋二郎に質問を投げかけた、

周囲はの客は、“ちえみ”の大きな声で晋二朗達の座る席に視線を向けていた。

”ちえみ”からの質問に対して、
 『いや、避けていた訳じゃない、それにもまして嫌いな訳ないよ。』
 『嫌いだったら、お前の事誘わないよ。』
晋二郎は、少し間をおいてから、

 『ただ仲田、お前を見ていると、どうしても、松さんとご家老 の事を思い出してしまうから、自分んの2人への気持ち・感情の整理がつくまで1人で考えていたんだよ。』
晋二朗の話を聞いて、“ちえみ”が、
 『先輩、考えた結果、どうだったんですか?なんか答え出ましたか?』
 『いや、まだ答えは出ていないよ。』
 『じゃーなんで、今日、私の事を誘ったんですか。』

 『私の事を見ると、2人の事が思い出されるから会うのは嫌だったんじゃないですか。』
 『いや、そんなことは無いよ。』
 『ただ、きっかけが無かったんだよ。』
 『でも、今日の昼間きっかけが出来たんだよ。』
”ちえみ”は不思議そうな顔して、
 『その、きっかけって何ですか。』
晋二郎は、黙って自分のスマートフォンを見せた。
そこには、福島県警の細川刑事からのメールが表示されていた。
晋二郎は、スマートフォンを”ちえみ”に黙って渡した、
 『読んでいいんですか。』
晋二郎は、黙って頷きながら生を口にした。

”ちえみ”が読んでいる間、晋二郎は煙草に火を付け、1人煙草を吸っていた。
メールを読み終えるころ晋二郎は煙草を消した。
”ちえみ”は、メールを読み終えてから、晋二郎に向かって、
 『なんで』
と、ぽつりと一言もらした。
晋二郎は、”ちえみ”の気持ちを察したように、
 『そうなんだ、“松さん”と“ご家老さん”が今日の昼間、亡くなったそうだよ自殺したそうだ。』
 『なんで、なんで、なんでなんですか。』
 『理由は、分からないけど昔気質の人たちだからね、何かしらの理由は有るとおもうんだ。』
そう言いながら、箸で網の上の“ホルモン”を転がす、晋二朗。
 『それで仲田、明後日の土曜日に福島県警の猪苗代署に行かなければいけないんだ。』
 『お前も、一緒に行ってくれるか。』
晋二朗は、“ちえみ”の顔を見ないで、箸で“ホルモン”を転がしている。
“ちえみ”は、1つ返事で、晋二朗に向かって、
 『私も行きます。』
と、了承してくれた。
晋二朗は、“わかった”と返事するように無言で頷いて見せた。
しばらくの間、2人は黙って生を口にしていた。

晋二郎が”ちえみ”に向かって、あることを口にした。
 『実はな、仲田、さっき俺が話した、1人で考えている時に分かったことが1つ有るんだ。』
 『何がわかったんですか先輩』
 『それはな、』
晋二郎はそう言ってから、ジョッキを手に取りビールを口にした。
そのまま、ジョッキを手で持ちながら、口を開いた。
 『考えた結果分かった事は、それは、人って生まれて育った環境・教育で大きく変わるって事だ。』
 『また、付け加えるなら他人の言葉は何にも当人には参考にはならないことだ。』
それを、聞いた“ちえみ”は、手にしていたジョッキをテーブルに置き、晋二朗に向かって、大きな声で、
 『先輩、そんな事はありません。』
 『現に、私は先輩の言葉で旅の面白さや、歴史の面白さ等色々なことを教わりました。』
 『先輩と一緒に居て、何も自分のためにならなければ先輩とこうして一緒にホルモン食べていませんから。』
 『だから、お願いです。そんなことは思っていても私には絶対、言わないでください。』
 『お願いします、先輩』
そう言い終わってから、“ちえみ”は晋二朗に向かって頭を下げた。

そんな時、店長が2人のテーブルに来て、
 『はい、お2人さん お替りのビールですよ。』
そう言って頼んでもいないジョッキを2個持ってきた。
 『おっと、いけないですよ、お2人さん、ホルモンが焦げていますよ!』
店長
は、晋二朗の箸を使って網の上のホルモンをひっくり返しながら、
 『吉田さん、吉田さんの言うことは分かりますが、それはそれでいいんじゃないですか。』
 『決断するのは、話した人間ではなく、その話を聞いた聞き手の人が判断するわけですからね。』
 『いま、“ちえみちゃん”が話したじゃないですか。決めるのは聞き手の人だって。』
 『あ、そうだ、お2人さん、ホルモンは少し焦げた方が美味しいですからね。』
 『では、ごゆっくり。』
そう言って、店長は空のジョッキを手にしながら奥に消えていった。
晋二朗は、店長の言葉を聞いてから、“ちえみ”の顔を見た。
 『先輩、店長の言葉は正しいですよ。』
 『人は、人から色々な情報を得て、自分が最後に判断するんですよ。』
 『先輩もそうでしょ。車を買うと決めた時、人の意見は参考にするけど、最後の購入は自分が決めるでしょ。』
 『それと同じですよ。』
 『だから、“松さん”と”ご家老“がどう思っていたかはあの2人にしか分からないことなんですよ。』
そう、“ちえみ”は晋二朗に話をした。
 
店の奥から店長が2人の様子を見ていてそろそろ出番かなと判断したようにテーブルに現れた。
 『ところで、吉田さんと“ちえみちゃん”は先月の10月の3連休、旅行に行ったんだよね?』
 『それでさー、俺に、何かお土産は無いの? もし何も無かったらそれって、なにか冷たくない?』
店長の話で、晋二朗と“ちえみ”は、ハッという感じで思い出し、
 『そうですよ、店長。 ごめんなさい忘れていて。』
 『あっ、嫌、お土産じゃないですよ、渡すのを忘れていて!』
“ちえみ”はそう弁解しながら鞄の中から、
 『はい、店長これ。 お店の人と一緒に食べてください!』
そう言って、“ちえみ”から店長に箱が2つ手渡された。
”ちえみ”を見ていた晋二郎が、
 『なんだ、仲田、お前もってきたの。』
 『先輩、会社に置いていたんですよ。 いつ、先輩に誘われてもいい様に。』
”ちえみ”は、店長に今渡したお土産について説明をし始めた。
 『そうそう、店長。賞味期限は年末までですから平気ですよ!』
“ちえみ”から、お土産を貰った店長が、嬉しいという顔をして、
 『ありがとう、“ちえみちゃん”、吉田さん。』
 『箱を開けてもいい?』
言う前に箱を開けだす店長。
 『おお、紅葉饅頭じゃないですか?』
 『こっちの箱は何が入っているのな?』
 『すげー、日本海の蛸煎餅じゃないですか。これ好きですよ。本当に大好き!美味いんだよね!これ、本当に好き!』
店長の顔を見て、笑顔になる吉田と”ちえみ“。
 『店長、そんなに喜んでくれると買って来た方も買ってきたかいがあって嬉しいです。』
 『店長、念のために言っておきますけど、このお土産は先輩と私からですからね!』
 『あと、お2人に私からお土産です。』
そう言って、鞄から“ちえみ”が小さな小袋で包まれた“物”を手渡した。
店長は、“ちえみ”に向かってありがとうと言って小袋の封を開けた。
中からは、小さなお守りが出てきた。
 『“ちえみ”ちゃん、ありがとう!俺、車に着けるよ!』
店長とは対照的に晋二朗は、意外といった顔をして“ちえみ”を見た。
 『俺にもかよ、仲田?』
 『そうです、長い距離を1人で運転してくれたじゃないですか。』
 『だから、そのお礼です。』
晋二朗が、小袋の封を開けようとした時、
慌てて“ちえみ”が制止して、
 『先輩は家に帰ってから1人で見てください。』
晋二朗は、頷いて自分の鞄の中にしまった。
2人+店長は“ちえみ”の持参した写真を見ながら、旅の思い出話を始めた。
話し始めてしばらくしてから、店長が、
 『ビール無くなったね、今お替り持ってくるよ。』
 『このビールは、俺の奢りだから気にしないでくださいね、お2人さん。』
そう言いながら店長は奥に消えていった。
店長を目で追っていた、“ちえみ”が、晋二朗に向かって、
 『ところで、先輩お話って何ですか。』
晋二郎は、”ちえみ”の言葉に一言。
 『もう、話は済んでいるから。 ありがとう。』
“ちえみ”に礼を言ってから、晋二朗は旅の写真を見せて欲しいとリクエストした。

 『仲田、写真を見せてくれないかな。』
 『はい、どうぞ。』
“ちえみ”は写真の束を渡した。
晋二朗は、預かった写真の何枚目かの写真で手を停めた。
手を停めた写真は、丹後温泉のお風呂屋の写真だった。
そう、ここのお風呂屋さんで、“松さん”と“ご家老さん”に出会った場所だった。
晋二朗は、ずっとその写真を見ていた。
まるで、一生懸命に何かを思い出そうとしているようにだった。
そんな、晋二朗を見た、“ちえみ”が、
 『先輩、ごめんなさい。その写真。』
 『いや、いいんだ仲田。もう、平気だからさ。』
晋二朗はそう、言いながら写真をテーブルに置き、ビールを飲みだした。
すこし、間をおいてから、晋二朗が口を開き、
 『店長、今日は最後まで飲みませんか?』
 『はい、喜んで!』 
奥から、店長の元気な声が返ってきた。
店長+プラス従業員を交えて閉店までお店で飲み食いをしてから帰宅した。


次回:5-2に続く。





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