★ ≪トキメ気≫の[iBOX] ★ [男と女の風景] (短編小説集)

これは、大人のラブストーリーです。 我が人生に、夢よ! もう一度・・!  いつまでも、恋も愛も、いっぱい欲しい。 そんなバーチャル・ラブを、どうぞ・・。 
 
2020/06/18|その他
○ 女たちの独愁 ○ [男と女の風景・167]
 
             2020年6月11日(木) 00:00時 更新 
                            
  ○我が家のベランダ・ガーデン
 
 今回は、こういう草も、株立ちをさせて、盆栽風に作り込むと風景になる、そんな3品を紹介します。
 これ等は、小さな株の苗を入手して、4、5年、赤土を多めにして育てたものです。
 自己流ですが、3年目には、一回り大きい鉢に、草の株を割って植え込みます。その時、割った割れ目に、細かい赤土を押し込んで埋めます。
 株が混んできて、根が張ったら、全体をすっぽりと抜いて、鉢底に赤土を足してやって、元の鉢に戻します。
 
   ≪写真・左・・紀州オギ
 
   ≪写真・中・・姫コバンソウ≫
 
   ≪写真・右・・斑入りフウチソウ≫
 

 
               [男と女の風景・167]
                ― つづき・3 ―

  ○ 女たちの独愁 ○
 
 それから石橋は、居酒屋で横に座る朋子の存在を意識しながら、黙々と水割りを飲んでいた。
 だが、朋子が自分に執着する理由が、もうひとつ理解できなかった。
「君さぁ、なんで僕にこだわるの・・」
 石橋に、そう言われても、朋子はうつむいたままだった。
「だって、飲み屋で出会って、≪男の眼を見ない≫という、単なる感想から始まっただけだよ」
「ええ・・、でも、その後で戴いたご指摘は、どれも、概ねその通りだったのです」
「フーン、そうか・・。でも、単なる僕の憶測だよ」
「ええ。でも、ご指摘の中には、自分でも意識しなかった特性が再認識できました」
「まぁ、自分の潜在意識って、自分では判らないけどな」
「石橋さんは、私の深層にある本質を、誰よりも最も理解してくれた人、なんです」
――まぁ、会社とか飲み屋で、女達をいっぱい見てきたからな。
  そう、個性的で、気になる女性は、頭の中で追いかけるんだ。
  まず、初対面の時に、その子の印象から、形容詞を探す。
  顔立ち、服装、言動など、その形容詞を総合して個性を推測する。
  そして、パーソナリティの仮説を立てる。

  後は、実際の行動を観察して、仮説に合致しているかを検証するんだ。
 そう、オレの行動科学は、仮説を立てて、検証して、実証することだよ。
 それが、大学のゼミで学んだ≪文化人類学≫という、社会科学だ。
 お蔭で、女達を見る眼は養われたな。
 
「私、孤独には耐えられても、寂しさには気が狂いそうで・・」
――なんだと・・。どっちも似たようなものだよ。
  インテリって、理屈っぽいんだよな。
  でも、孤独とは観念であり、寂しさとは実感だから、違うかも・・。
「ええ、判ってくれる人が傍にいてくれましたら、心が休まるんです」
「ではさ、もう一度、お友達から始めようよ」
「ハァ・・」
 朋子は、落胆したように溜息を吐くと、また無言で俯いてしまった。
――ああ、あの時、キスをしちゃったからな。
  ヤバイと思ったから、あれ以来、連絡しなかったのに・・。
  女の体って、一旦、一線を越えると、止まらないのかな。
 
 それからしばらくして、石橋は、店員にチェックを頼んで、朋子に帰り支度を促した。
 そして、立ち上がって中腰になった時、ガクッとヒザが崩れて、咄嗟にテーブルに手をかけた。だが、滑って、また畳に座り込んでしまった。
「大丈夫ですか」
「ああ、なんとか・・。でも、少し飲み過ぎたかな」
 石橋は、そう言いながら、今度は用心深く、ゆっくりと立ち上がった。
 だが、石橋の体は、酔ったように体が揺れていた。
 飲み代を払ってから、店の外に出ても、壁に手を突きながらエレベーターに向かった。
 石橋は、こんな程度で酒に酔うことはなかったが、実は酔ったフリをして、難を逃れようとしていたのだ。
 
 すると、朋子が突然、抱きついてきた。
「アア・・、君は、可愛い女だよ。ガンバレ・・」
 石橋は、慰めの言葉をかけながら、壁を背にして朋子をそっと抱いてやると、背中を軽く叩いてやった。
 すると朋子は、いきなりプチュッとキスをしてきた。
 石橋は、その衝動的な一途さに驚いたが、されるままにしていた。
 すると、朋子は、石橋の魂まで吸い取ろうとするかのように、唇を微妙に強く押し付けてきた。
 そして、かぶりついたままのキスが、執拗に長く続いた。
 しかも豊満なバストを、何度も身をよじっては押しつけてきた。
 だが、ふと気がつくと、朋子は自分の太腿を、石橋の股間に押しつけていたのだ。
 そしてさらに、ヒザを挙げては、一物を刺激していた。
――エッ、ナンダトゥ・・。
 石橋が気づいた時には、自分のそれは、もう勃起していた。
「あぁぁ、石橋さん、して欲しいんです」
「えっ、なにを・・」
 朋子があえぐ声で言ったが、石橋は敢えてとぼけた。
――もしかして、この女、やりたいだけの女では・・。
  それとも、やらせてあげれば、男は言いなりになる、って・・。
  そう、男はセックスで、私の奴隷になる、って・・。
  ああ、女の真のプライド、
  そう、君の系譜は上臈だろ。その矜持が欲しいな・・。
  女の存在感は、気品だし、心意気だし、自由意思だよ。
 そんなことを考えると、石橋は、朋子が急に色褪せてきて、ただのメス猫に見えてきた。
 
 すると、朋子は自分の右手で石橋の手を取ると、自分のバストに誘導して、しっかりと押しつけた。
――エッ、乳房は、こんなに大きいの・・。
  ああ、大胆な女の誘惑だ。
  ヤバイ、その気になりそうだよ。
  でも、肉欲に溺れてはダメだぞ。
 石橋は,冷静に自分に言い聞かせると、直ぐに手を引いた。
 だが、朋子は自分の手を石橋の股間に這わせてくると、ズボンの上からまさぐって、手の平で擦ってきた。
「オゥイ、もういい加減にしてくれないか」
 石橋は悶絶して拒んだが、もう硬直したそれは、敏感に反応していた。
 しかし、朋子は、男性にそうすることが愛情表現だと、思い込んで育ってきたのだ。
 そして、もう本人は、目くるめく欲情の世界に突入していた。
 だから、石橋が吐息を漏らして、喘ぐ様に、男性に尽くしている自分の喜びを感じていたのだ。
「オイ、頼む。止めてくれ」
 石橋が、腰を震わせて悶えながら、また訴えたが、朋子は止めなかった。
――ああ、中年女に火を点けてしまったか。
  この熱すぎる情念が、パイロットの機長が逃げた原因かも・・。
 石橋は、さっき発した≪カモン・ベイビィ≫と、カッコをつけた自分の言葉に、追い詰められていた。
 すると、朋美はファスナーを下して、ズボンの中に手を入れてきた。そして、まさぐると、しっかりとそれを握った。
「オイ、ヤメロ。止めないと、オマエの前から永久に消えるぞ。いいのか」
 それを聞いた朋子は、慌ててズボンから手を抜いた。
 だが、朋子は、石橋がセックスを拒む理由が判らなかったから、不思議そうに石橋の顔を窺っていた。
 
「ごめん。オレは帰る」
 石橋は、無愛想な顔で朋子に背を向けると、エレベーターが来るのを待って、黙って乗って行ってしまった。
 残された朋子には、かつては有り得なかった疑問が残った。
――男の人って、皆、ああしてあげれば喜ぶはずよ。
  そう、もう止められずに、昇り詰めるまで求めるの・・。
  それが、男という生き物なの・・。
  それで、もう私から離れられなくなって、その男を独占できたのよ。
  しかも、私はおねだりができたし、気が楽に甘えられたの・・。
  そう、セックスをすれば、私はご主人様になれたのよ。
  あの機長もそうだけど、他の女性と浮気をしたから、私から別れたの・・。
  何人とも別れたけど、皆、私の方からよ。
  でも、石橋さんだけは、そのエクスタシーを拒んだ。
  あの次は、口でしゃぶって、行かせるあげたのに・・。
  なぜなの・・。
 
 それから、朋子は飲食店ビルを出ると、ゾクゾクッと寒気がする寂しさに襲われた。
――ああ、もしかして、もう会えないかも・・。
  友達でもいいから、傍にいて欲しいな。
  だって、本当に、私を最も理解してくれた人だよ。
  ズバリ、ズバリと、私のファザコン願望を言い当てて、
  そう、自分でさえ気づかない、私の深層を見抜いていたのよ。
  アア・・、また独りぼっちになっちゃったかも・・。
 そしてその後、朋子は石橋に対してコールも、メールも出来なくて、やがて忘れられていった。
 
 
 次の週の水曜日、石橋は早い時間に、またスナック≪みはま≫に立ち寄った。
 あの泣き顔の優美が、「いらっしゃいませ」と、出迎えた。
 見回せば、客はいなかったし、ママの姿もなかった。聞くと、「チョッと用事があって、遅れる」とのことだった。
 そして、石橋がカウンターに座るなり、優美が水割りを作りながら、「その後、朋子さんとは、どうなんですか」と聞いてきた。
「ウーン、一度、焼き鳥屋で飲んだけど・・」
 石橋は、優美と乾杯をしながら、ふと妬いているのかと思ったから、さらに説明した。
「でもさ、なんか、相性が悪くてね。それっきりだよ」
「本当ですか」
「だって、あの人、東大を出たインテリだよ」
「マァ、優秀なんですね」
「そう。偏差値は、僕よりずっと上でね。しかも今は、企業診断のコンサルタントだって・・。だから、どこか感性にギャップがあるんだな」
 石橋は、とっさに浮かんだもっともらしい理由を言って、朋子との関係を否定した。
 
「私も、焼き鳥屋に行きたいな」
「ウーン、そうだね」
 石橋は、グラスを口に当てながら、気のない返事をした。
――朋子に比べたら、優美の方が抱いてあげたいよ。
  でも、オレには責任が取れないから・・。
  この子の孤独の傍には、いてあげられるけど、
  でも、孤独は、二人で共有できないんだ。
「私、このお店の仕事以外は、夜は時間が取れるんです」
「そうか。では、昼間は、なにを・・」
「ええ、病院の医療事務です」
「君も、頑張ってるんだね」
 石橋は、優美が、母と娘、三代の女家族なのを思い出していた。
 
 すると、優美が、控え目に会釈をしながら、低い声で言った。
「いつぞやは、貴重な物を戴きまして・・」
「エッ、なんだっけ・・」
 石橋は、例の10万円を寄付したことだと直感したが、またとぼけ通した。
「あれは、秘密の場所に仕舞ってあります」
 優美は、嬉しそうに、微笑んでいた。
 だが、目尻に浮かんだ細いシワが流れていて、顔の表情がいかにも寂しげに見えたのだ。
――ああ、可哀想に・・。
  この女は、子供の頃、父親に泣き、
  結婚してからは、亭主に泣いてきたんだ。
  お蔭で、悲し憂いが、顔に刻まれてしまった。
 石橋は、もう優美の顔が直視できなくなって、カウンターに置いた自分の手先をじっと見つめていた。
――ああ、こういう出会いが出来るのも、飲み屋の特典なんだろうな。
  そう、人には、それぞれの生き様があるんだ。
  お蔭で、自分の良さや欠点は、他者との比較から見えてくる。
  人間の特性は、社会性がある動物であり、
  だから、親や他者から、反面教師も含めて、知恵を学習できるのだ。
  あっ、そう言えば、聞いたことがあるな。
  あるギタリストが、≪人生の修行は酒場にあり≫って、言ってた。
  そう、酒場で社会勉強をして、自分を眺め直すんだ。
  ああ、オレは、今日もいい酒を飲んでるよ。
 石橋は、いつとはなしに湿っぽくなり、情緒的になっていた。
 
「石橋さん、横浜の高島屋で、お会いしたいんですが」
「えっ、なに・・。どうしたの・・」
「ええ、夏用のアロハ・シャツでも、プレゼントを、って・・」
「ああ、気持は嬉しいけど、気にしないで・・。その分、子供になにか・・」
「でも・・」
「あれはね、オレの気持だからさ、その優美の気持だけをもらうよ」
 優美は、あのお礼返しにと考えたのだが、石橋に拒まれて、悲しげにそっと頭を下げた。
――いいんだよ。こんな美味い酒を飲ませてもらえればね。
  人の情を感じられる人間関係って、素晴らしいんだよ。
  そう、素顔で、本音であればね。
  飲み屋は、他人同士の出会いだけど、気持が繋がれば・・。
「石橋さん、私、男性に、こんなに優しくしてもらったのは、初めてなんです。だからとっても嬉しいんです。でも、どうお礼をしたらいいか・・」
「僕はね、見返りなんて、なにも求めていないよ。だから、まぁ、寄付だと思って・・」
「でも・・」
 優美は、思わず泪が込み上げてきて、俯いたまま石橋にクルッと背中を向けてしまった。
――ああ、寄付なんて言葉を使って、失礼だったかも・・。
  私、物乞いなんてしていないわ、って、怒ってるかもな。
  ああ、困ったな。
「優美ちゃん、ごめん。悪かったな」
 石橋がそう謝っても、優美は肩で大きく呼吸をしているばかりだった。
「僕はね、本当に、単純で素朴な思いから、したことなんだ。気を悪くしたら謝るよ」
 すると、優美が振り返って、「石橋さん、お願いがあります」と言った。
「なに・・。僕に出来ることなら・・」
「ええ、明日、私とデートをして下さい」
「ああ、いいですよ。まぁ、7時前には藤沢に着けるから、駅の改札で・・」
「お願いします」
 優美は、そう言うとお辞儀をして、石橋の薄くなった水割りを作り出した。
 すると、ママが馴染みの常連客と入ってきた。
 この二人は、もう陽気に意気投合していたから、どこかで食事でもしてきたのだろう。
 
 次の日、石橋は優美と駅の改札口で落ち合った。
 相変わらず地味な優花は、またあの泣き顔で微笑みながら出迎えた。
「オウ、昨日はどうも・・。それで今日は、君にお任せのコースですか」
「ええ、今日は、私が望む通りに、お願いします」
 優美はそう言うと、腕を組んで引っ張るように、混雑する駅のコンコースを抜けて階段を降りていった。
 そして駅前のバス停から、オーバの前を通って、橘通りの入口に来た時、ふと優美は立ち止まった。
「石橋さん、今日は、私の据え膳を食べて下さい」
「エッ、どういう意味・・」
 石橋は直感的に、あの事だと判ったから内心、躊躇した。
 だが、「なに言ってるのか、判んないよ」と、恍けるしかなかった。
「私、石橋さんの優しさを、肌で感じたいし、私の総てでお礼を・・」
「オゥイ、ヤバイでしょう」
 石橋は、この通りの奥にラブホがあるのを知っていたから、足が重たかったが、≪お任せコース≫と言った以上、拒めなかった。
――ああ、優美って、こんなに強い女だったのか。
  女って、腹を据えると強いよな。
 案の定、着いた先はラブホテルだった。
 そのネオンを見上げて、石橋も腹を括った。
 
 優美は、部屋に入るなり、バスルームに入って熱さの加減を見ながら、思い切ってお湯をバスに出していった。
 そして、「お先にどうぞ」と言って、ベッドルームをチェックしにいった。
――ああ、ラブホでこんなのは、久しぶりだな。
  女房と付き合い始めて以来だよ。
 石橋はそんなことを思いながら、脱衣所からバスに入っていった。
 そして、汗ばんた体を洗って湯船に入ると、疲れが抜けていくようで気分が良かった。
 すると、ドアが開く音がして、見れば裸の優美が、タオルで前を隠しながら入ってきた。
 それは正面だったから、石橋は咄嗟に目を瞑った。
 だが、優美の痩せて細い足が脳裏に焼き付いていた。 
 そして、体を洗い流した優美が、そろっと湯船に入ってきた。
「石橋さん、そちらに移ってもいいですか」
 石橋は意味が判らなかったが、「おお、いいよ」と応えた。
 すると、優美が背を向けたまま、石橋の前に座った。
「石橋さん、私を抱いて下さい」
 石橋は、足を広げてアグラを掻くように座っていたから、優美の痩せた体がすっぽりと納まった。
 そして、後ろから両手で大きく美優の体を抱いてやった。
「アア、私、こうして欲しかったんです。ええ、父にも主人にも、してもらえなかった優しさ、それを感じたかったんです」
――ああ、やることは大胆なのに、小さな願望だな。
  そうか、小学生の頃、友達がお父さんのアグラの中に座ってた、って。
  その光景を見て、羨ましかったって、言ってたな。
  だから、優美にとっては、人生で初めての出来事かも・・。
「私、胸が小さいんです」
「そんなことは、関係ないよ。感じてくれればね」
 石橋は、そう言いながら、回した指先で乳首をそっと摘まんだ。
 ギクッと感じた優美は、思わず仰け反った。
「ホラー、感度は抜群だよ」
 すると優美は、体の向きを変えて、キスを求めてきた。
――ああ、対等にエンジョイできるセックスを、求めているのかも・・。
  だって、強制されて、虐待されたセックスだって、言ってたから・・。
  そう、両手を縛られて、お尻を叩かれたって・・。
  そうか。自分がしたいように出来るセックス、それが願望かも。
  だったら、優美にお任せのコースだよ。
 
 風呂から上がると、先に出た優美が「石橋さん、来て」と声を挙げた。
 部屋に行くと、素っ裸の優美が、大胆にベッドの上で大の字で寝ていた。
「おお、いいね」
 その蒼白くて痩せた長身は、まるでヒョロっとした中学生に見えた。
「石橋さん、さあ、部屋着を脱いで、一緒に寝て・・」
 石橋は、言われた通り裸になると、優美の隣りに滑り込んだ。
「お願いです。腕枕をして・・」
 石橋が腕を伸ばすと、優美はゴロンと裸体を回して、懐に密着させてきた。
――ああ、これも言ってたな。
  テレビで見たアメリカ映画で、父の腕枕で娘が安らかに寝ていたって。
  そうか。子供の頃に帰って、父親に甘えたかったんだ。
 それから、優美は、石橋の全身を、所構わずに接吻し始めた。
 そして、夢中になって舐め回して、ふと気がついたら、なんと石橋の一物もしゃぶっていたのだ。
 すると、大胆に両ヒザで石橋の胴体を跨ぐと、上に乗って、腰を前後に振り始めていた。
――ああ、これも、自分からしたいことだったのかも・・。
  いいよ。男を代表して、総て受け止めるよ。
  きっと、10年振りのセックスだろうから・・。
 見れば、優美は恍惚とした表情をして、膣のヒダから伝わる性の触感を満喫していた。
 
 それから、石橋はコロナ後の対策で多忙だったから、スナック≪みはま≫には、暫くご無沙汰をしていた。
 久しぶりに行くと、ママが、「石橋さん、朋子ちゃんが一ヶ月前に辞めて、続けて優美ちゃんも先週、辞めました」
「エッ、どうしたの・・」
 ママが、疑惑のありそうな目で石橋を窺っていた。
「石橋さん、心当たりはありませんか」
「イャァ、一向に・・」
 石橋は、そう否定したが、内心、グサッと感じるものがあった。
――ああ、あの女達は、自分の孤愁を抱いて、一人で旅に出て行った。
  もしかして、人生を彷徨い続けるのかもしれない。
  自分ではどうにも変えられない家族や血縁、
  そんな生まれや、生い立ちの宿命が、
  足首に重たい鎖で絡みついているのだ。
 
                              ― おしまい ―
 
 
 
   ≪読者の皆さん≫
 毎週、これを読んで下さる読者・500名もの皆さん、こんな男と女の物語は、どうですか。
 もう、飽きてはいませんか。
 私は、見えない読者の皆さんから、コメントを戴きたいのです、
 でも私は、今後とも、こんな女達を書き続けていくでしょう.
 それが、私の残生の宿題であり、今や生甲斐になっているからです。
 そして、かつて、私のストレスを発散してくれた彼女たちに、そう、女心の本音や真相を学ばせてくれた彼女たちに、心を篭めて感謝の意を表したいからです。
 今にして思えば、もう半世紀も昔から、それは始まっていました。
 私は、誰よりもいい酒を飲ませてもらった、と、感謝すると同時に、それだけが、唯一の自慢なのです。
 まぁ、勝手な妄想でしょうが、誰よりも恵まれた時間でした。
 今はもう、還暦を迎えるであろう多くの彼女たちに、いっぱいの幸せがあれと、心から願うばかりです。
                            橘川 嘉輝 拝


 





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