★ ≪トキメ気≫の[iBOX] ★ [男と女の風景] (短編小説集)

これは、大人のラブストーリーです。 我が人生に、夢よ! もう一度・・!  いつまでも、恋も愛も、いっぱい欲しい。 そんなバーチャル・ラブを、どうぞ・・。 
 
2019/04/25|その他
○ 揺れる五十路 ○ [男と女の風景・139]
 
               2019425(木) 00:00時 更新 
 

  我が家のベランダ・ガーデン
 
 今回も、現在、我が家のベランダで咲いている花たちです。
 
  ≪写真・左・・アジュガ≫
 これは、西洋ジュウニヒトエ(十二単)という園芸種です。
 名前は、花の咲き方が、平安貴族の十二単のように、折り重なって咲くからです。
 また、この草は、この花の茎の他に、地面を這うように生長する「ほふく性」のツル芽があって、その先で根を張って新しい株が生まれます。
 
  ≪写真・中・・ジュウニヒトエ≫
 これは、日本の十二単で、矮性なのか高さが10センチほどです。
 ただ、斑入りの園芸種です。
 
  ≪写真、右・・不明≫
 これは、今年から突然生えてきた草で、いわゆる≪飛び込み≫でしょう。
 チョッと目について、大切に育てたら、こんな変った花が咲きました。
 細長い葉っぱもあるのですが、丸葉もあって、なんとその真ん中から、こんな小さな白い花(1ミリ程度)が咲きました。
 
 
≪追記≫
 来たるGWに、我が平塚山野草の会が、≪春の展示会≫を開きます。
  •  日程・・5月4日(土)-5月6日(月)・・3日間、
  •  時間・・AM10:00―PM16:00
  •   場所・・平塚市民プラザ・・1F
 皆さん、200鉢以上も展示されて、余剰苗の格安な販売もありますので、是非ともご来場ください。
 

                      [男と女の風景・139]
                        ― つづき・4―

  ○ 揺れる五十路 ○
 
 柳田は、桜見物をした後で会社に戻ると、自分のキャビネットを開けて、ファイルを整理しようと、チェックを始めた。
 だが、明らかに廃棄する資料はわずかで、ほとんどは後任者に引き継ぐことにした。
 自分が勝手に判断するより、取捨選択は後任者に任せたのだ。
 また、デスクの引き出しにある私物は、段ボール箱が1個もあれば、引っ越しには充分と見積もった。
 だが、未だ人事異動が公表されていなかったから、表立った作業をするのは止めておいた。
 
 ふと、引出しの下の段を開けると、大きく膨らんだ茶封筒がいくつもあるのが見えた。
 取り出して、中を見ると、様々なサイズの写真が乱雑に仕舞われていた。
 そっと取り出して、デスクに隠れて眺めていると、そこには若い頃の懐かしい自分がいた。それは、20代、30代のかつての自分だった。

 今よりはもっとスマートに痩せていて、我ながらイケメンの好男子だなと、思わず苦笑してしまった。
 また、部下たちの結婚式に呼ばれた記念写真や、皆でハイキングやテニスをした時の写真もあった。
 さらに、昔の新人歓迎会で、皆と居酒屋で飲んだ時のスナップ写真が出てきた。
――アッ、この井上君、その後どうしたかな。
  本人が、陽気で外交的だからと、営業を志望してきたから、
  営業第二課に配属したんだ。
  当時は、お客様の新規開拓をする仕事だった。
  でも、成績が上がらずに、悩んだ挙句に、うつ病になって入院したんだ。
  しかし彼は、それでも治らずに、実家に帰ったはずだな。
 
 すると、白い私的な封筒が出てきて、宛先は≪柳田様≫とあった。
 柳田は、その裏に書かれた差出人も見ずに、ピンと来て、営業事務をしていた大倉久代を思い出した。
――そう、大倉は経理の細井君にアブローチされて、
  あまりタイプではなかったけど、付き合って・・。
  でも、陰気だからと疎遠にしたら、ストーカーをされたんだ。
  ところが、直ぐに妊娠しているのが判って、相談に来たんだよ。
  お客様用の応接室で、涙をこぼす大倉から話を聞いたな。
  そう、あの時、オレは言ったんだ。
  ストーカーを止めさせるのは、僕が本人に言う。
  だけど、結婚するなら、立派な子共を産みなさい。
  でも、結婚しないなら、未婚の母になる覚悟を持つこと。
  後は、中絶する手もあるけど、それは自分が責任を持って決めることだ。
  両親とも相談して、決断するんだな。
  大倉は、その後会社を辞めて、どうも中絶をしたらしい。
  二年後に、≪結婚しました。幸せです≫と、
  このお礼状が届いて、ホッとしたんだ。
 柳田は、しばしの間、そんな思い出に浸っていた。
 だが、過去を振り返るなんて、転出の辞令が出たからこそだと、改めて感じ入った。
――ああ、仕事の他にも、色々な波を乗り越えて来たな。
  だけど一番辛かったのは、バブルが弾けた時だったよ。
  そう、営業マンには地獄だった。
  景気がどん底だったから、どこに飛び込んでも門前払いだった。
  そうか、このデスクから見る風景は、これが見納めかもな。
  しかし、このオフィスに、30年もいたなんて、なぁ・・。
  ウーン、様々なことがあって、様々に助けられたよ。
 オフィスはいつもの風景だったが、柳田には、もう懐かしさが込み上げてきていた。
 
 それから、夕方の定時を迎えて、「さて、どこかで軽く飲んで帰るか」と思案していると、今田部長から声がかかった。
「今宵は、どう・・、空いてる・・」
 この言い方は、部下を飲み屋に誘う時の打診である。
「アッ、はい、喜んで・・」
 主任や美由紀にも聞こえていたが、今田部長は、今日は二人だけで飲みたかったのだ。
 それから、東京駅の地下街にある居酒屋風のレストランに立ち寄った。
 店内はもう混み始めていたが、通路が見える窓側の席に座って、ビールの大ジョッキを注文した。
「部長、本当にお世話になりました。有難うございます」
「いやいや、君も頑張ったよ。同じ営業本部にいて、30年もの付き合いだからな」
「ええ、無我夢中で駆けてきました。反省点はいっぱいありますけど、後悔はありません」
「そうか。ご苦労さんだったな」
 ビールが届いて、二人はジョッキを掲げると乾杯した。
 それからは、昔の思い出話や先輩たちの消息など、懐かしい四方山話が語られていった。
 
「ところで部長、今日、金田君とお花見をした時に、彼女は離婚したって聞きましたけど」
「実は、そうなんだよ。去年の梅雨時だったかな、会社の帰りに偶然、一緒になってね。浮かない顔をしてるから、どうしたの、って、聞いたんだ」
「そう言えば、あの頃は、仕事中も、ぼんやりとしていたし、深い溜息を吐いてましたよ」
「話を聞いたらさ、離婚しようかと悩んでる、って言うんだ。それで、コーヒーを飲みながら、話を聞いたのよ」
「ええ、本人の話では、亭主の浮気が原因だって・・」
「ウン、それもあるけど、僕は、根本的には旦那がマザコンだったからだと、思うよ」
――ああ、あり得るな。
  母親への甘えん坊だったのか・・。
「彼女の話では、子供が出来て、実家に産休で4か月間、帰ったそうだよ。そうしたら、旦那はその間、自分の実家から通勤してたんだ。なにしろ、炊事、洗濯はできないし、全自動の風呂さえ操作が出来なかったって・・」
「ホゥ、要は、母親にベッタリで乳離れをしていなかったんですね」
「そう、一緒に暮らすようになっても、子供が最優先だったから、旦那への気配りも減ったんだ。お蔭で、イライラの暴言が多くなって、口論にもなったらしい。それで、結局は、甘えさせてくれる女を外に求めたんだな」
「ウーン、共稼ぎだから、そこは我慢をしないと・・」
――やっぱり女性は、ハンディを背負ってるんだな。
  しかも、亭主によって、負荷の重さが違うんだ。
「でもね、その腹いせに、彼女にはかなり暴力を振るうようになった。それで、仕方なく従順にしていたら、娘が小学校に上がる頃、今度は娘への虐待が始まった、って・・」
「ああ、そんな事件がありましたね」
「そう、
あの旦那の深層心理から見ると、単純な甘ったれた動機なんだよ。それはおもちゃやアメを欲しがるガキのまんまで、大人に脱皮できてないんだ。彼女は散々悩んだ挙句に、離婚を決意したって・・」
――ほう、部長は、すごい心理分析をするな。

  人間て、親の影響で、そんなにも狂ってしまうのか。
  ウーン、深いな。
    ああ、部長は、観る目があるよ。さすがに脱帽だよ。
 そして柳田は、美由紀が離婚した理由を聞いて、なんともコメントのしようがなかった。
 
 それから部長とは東京駅で別れて、柳田は、その日の夜も、スナック≪ピエロ≫に立ち寄った。
 亭主がリストラされた浩美は、顔を合わせると、さりげなく「いらっしゃいませ」とだけ言って、水割りを作り始めた。
 だが、柳田には、あんなにディープキスを求めたのに、ケロッとしている浩美が、なぜか不思議な女に見えた。
――ああ、やっぱりダメ亭主への捌け口だったのか・・。
  中年女は大胆だし、かなり図太い神経をしてるからな。
  ここは、オレも、記憶にないことにしよう。
 柳田は、嫌な思いを飲み込むように、浩美の作ってくれた水割りを飲んだ。
 
――でもさ、やっぱりオレは寂しいんだよ。
  独りぼっちでさ、自分で自分を慰めるしかないんだ。
  そう、孤独なサラリーマンだよ。
 そんな思いで、柳田は一家の長であることの重みを感じながら、孤独をことさら強調して、自分に言い聞かせていた。
 カウンターの奥にいる客の陽気な声が聞こえたが、柳田は、伏し目がちにさり気なく飲んでいた。
――ああ、今日の上野の桜、噂には聞いていたけど、
  あの観光客はすごかったな。
  しかも美由紀が、うまく割り込んできてさ、
  オレのファンだって・・。まさかだよな。
  しかも二人っきりの飲み会をだって・・。
  職場全体の送別会とは、別にだよ。
  女難の相と思ったけど、もしかして、オレは安全牌だからかも・・。
  そうか・・。きっと、甘えたいだけなんだよ。
  でもさぁ、オレは仕事一途だったから、ダメオヤジなんだよなぁ。
  女心は判らないし、美由紀の離婚も知らなかった。
  アァーア、気楽に飲んで、昼間の事は全部忘れよう。
  そう、それがオレ流だから・・。
 
 暫くすると、ママが厨房に入るのを見届けて、浩美が近づいてきた。
「昨日は、すみませんでした」
「ああ、タクシーで送ったよね」
 柳田は、キスをしたことはとぼけて、浩美を自宅に送ったことだけを言った。
――ああ、私、主人以外とキスしたのは初めてよ。
  そう、気分が鬱積していて、寂しかったの・・。
  忘れたいことがあって、気を紛らわせたかったのよ。
  ごめんなさい。
  私って臆病なのに、お酒に酔って・・。
「どう、一杯、飲んだら」
 柳田にそう言われて、グラスを取り出すと、ウイスキーをチョコッと入れて薄い水割りを作った。
 昨日は酔ったから、今日は少な目にしたのだろう。
「君は、お酒、強いんでしょ」
「いえ、20代でバイトしてた頃はそうでしたが、もう専業主婦が長いですから、最近はダメなんです」
「なに、若い頃はなにをしてたの」
「ええ、結婚式場のスタッフを・・。でも、経営者が代わって、経営方針も変わって・・、3年で辞めました。それからは、この世界で・・」
「でもさ、今でもスタイルはいいし、肌が綺麗で美人だから、若い頃はすごくモテたでしょ」
 浩美は、「ウフッ」と漏らすと、照れ笑いをした。
 今は、少し脂肪がついてぽっちゃりとしていたが、20代の頃はもっとスリムだったのだ。
 
 浩美は、間もなく50才を迎えるが、去年の4月からこのスナックで働き始めていた。
 子供たちが大人になるまでは、家事に専念して、家族を守ってきた。
 だが、息子が会社の大宮営業所に転勤になって家を出てからは、手が掛らなくなって、このバイトを始めたのだ。
――そうよね。若い頃はモテたわよ。
  ファッションモデルで、グラビアを飾ったこともあるし、
  みんなにチヤホヤされて、舞い上がっていたわ。
  でも、本来の私は、引っ込み思案だったから、控え目に引いていたんだ。
  そう、男性とは距離を置いていたのよ。
  今の主人は、地味で控え目だったから、親近感があったの・・。
  でも、無口なのに、目だけはギラギラして、
  愛してるって、一途に訴えていたのよ。
  そう、その真剣さ、真面目さにグッと来たの・・。
  だから、今は無職になったからこそ、支えないと・・。
  でも、最近の無気力さって、ボケないかと心配なのよね。
  だって、根っからの真面目人間だから・・。
 
「でも、君のファッションセンス、いいね」
「あら、これは皆、古着ですよ」
「エッ、そうは見えないよ」
「ええ、私の妹が、古着をリフォームするショップをやってましてね。時々お手伝いに行っては、気に入ったものをピックアップして、自分用に作り直したんです」
「フーン、まぁ確かに新品ではないけど、でも、その服の色や柄の感性って、若々しくて、僕は好きだな」
「はい、ありがとうございます」
 浩美は、黒やグレーを基調としたワンピースが多かったが、時にはチェック柄もあった。
 また、赤やピンクの花柄は、小さかったし、むしろ地味だった。
 柳田には、そんな浩美の着こなし方が、落ち着いた女の存在感を主張していて好きだった。
 
 浩美は、柳田に褒められて嬉しくなって、ふと、娘時代にチヤホヤされた思いが蘇っていた。
 家庭を守ってきた専業主婦が、今こそ、抑えていた願望を実現して、自分がいい女であることを認められたいと思っていた。
 だから、自分の感性を評価してくれる柳田に、五十路の女がポッと燃える、そんな救いを求めていたのだ。
――そう、気がついたら、私、もう五十路よ。
  このまま、あの我が家に埋もれたくはないの・・。
  だって、妻として、母として、充分尽くしてきたわ。
  そう、許されるなら、もう一度、青春を復活して輝きたいの・・。
 かつて20年もの間、浩美は、時として燃え上がる子宮の悶えを押し殺してきた。夫婦の夜の営みは、もう長い間、途絶えていたのだ。
 だから、もう一度だけ、生きている証しが欲しかった。
 それは、他人に自分の存在と、その個性を認められたいという、人間が持つ本質的な欲求だった。
――そうよ、私はこういう女として、この世に存在してるの・・。
  世界の片隅で生きてるけど、でも他人に認められたいのよ。
 
 柳田は、少女のようにはにかむ浩美を見て、なぜか可愛い女だと感じた。
――もしかして、チッポケな願いがあって、
  そう、今も、ひたすら白馬の王子様を待ってる少女、
  この女には、そんなハートがありそうだな。
  もう50才なのに、いつまでも乙女心があるって、いいよ。
  そう、そうありたいという気持、それが美しいと思う。
  ああ、感動さえ覚えるな。
  普通は中年のオバサンで崩れて、堕ちて行くのに・・。
 柳田は、そんな浩美を目の当たりにして、少年のように胸がときめいてきていた。
 それは、高校生の頃、従姉妹で年上の女性に抱いた恋心でもあった。
――オイ、この歳になって、あの美代子さんを思い出すなんて・・。
  でも、もしかして、あれがオレの初恋だったかも・・。
  だって整った顔で、透き通るような肌で、知的だった。
  そう、オレは、あの人に憧れていたんだ。
  実は、勉強しながらも、あの面影を浮かべていたんだよ。
「柳田さん、水割り、もっと作りますか」
 そう言われてハッとしたが、あの残像はいまだに鮮明に覚えていた。
――オイ、この歳になっても、ガキの頃の思い出に浸るのかよ。
  イヤァ、この歳だから、思い出すのかも・・。
  今宵は、なんと言う酒なんだ。
  ああ、これが末期(まつご)の酒かもな。
  いいよ。オレは、このままあの世に行ってもさ。
  だって、こんな気分のいい酒って、めったにないよ。
  おおい、オマエ、今夜は最高の酒だぜ・・。
 柳田は、酒に酔い、もう自分にも酔っていた。
 
「柳田さん、私、ときめいています」
「そうか。オレもときめいてるよ。こんな美味い酒は、初めてかも・・」
 柳田は、酔った勢いもあって、調子に乗ってきた。
「私、気分だけでなくて、お酒にも酔いたいな」
「おお、いいよ。遠慮しなくてもいいから、飲んでよ」
 もう二人は、酒に毒されて二人の世界に嵌っていた。
 柳田は、浩美とこんなに気持が通じ合えるなんてと、感動して泣けるほどに嬉しかった。
 もう会社や左遷のことを忘れていたし、気持が通じ合えるその琴線が、かつてなく微妙に震えていた。
 店には客が3人しかいなかったから、柳田はカウンターの隅で飲んでいた。
「でも柳田さん、私は主人を裏切れないんです」
「ああ、オレだって、妻を裏切れないよ。だからお互い様だよ」
 だが柳田には、いきなりディーブキスに襲われた、あの疼きがあった。
 だから内心、もしかして浩美とセックスに至るかも、との、期待感が湧いていた。
 だが、もう勃起をする自信がなかったから、もしそうなったらどうしようかと、逡巡してもいたのだ。
 と言うのも、柳田には最近、妻との夜の営みは、もうほとんどなくなっていた。
 夜は遅くまで飲んでいることが多かったし、何年かに一度、会社の契約旅館がある箱根や熱海で一泊しても、その気にはならなかった。
――ああ、そうだ。先週の土曜日だよ。
  風呂に入っていたら、いきなり女房が裸で入ってきたんだ。
  エエッて、驚いて・・、
  でも、目を背けたままだったな。
  あの大胆な行動は、オレを挑発したんだって、後で思ったよ。
  セックスをしたくって、業を煮やしたのかも・・。
  でも、胸に触ることさえ出来なかったな。
  アァア、オレの人生、たそがれてるよ。
  そう、もう末期的だな。
 だが柳田は内心、浩美には人生最後のセックスを期待していた。
そして浩美も、気持は揺れ動いていたのだ。
――私、もう五十路の誕生日を過ぎたのよ。
  そう、柳田さん、私、キス以上の触れ合いを求めてるの・・。
  だから、もう一度だけでも、女になりたいの・・。
  ああ、体の芯が疼くのよ。
 
「でも、今日のお酒、最高ですね」
「そうだな。金では買えない酒って、こういう酒だよ」
 だが柳田は、そんな会話をしていて、ふと、自制心を忘れた自分を意識して、危ないものを感じた。
――ああ、悪乗りをしてはいかんな。
  だって、浮気心が突然、モッコリと湧いてきて、
  もう半分は、その気になっていたよ。
 
 でも、理性ある男として、誰も裏切らない。
    それが、オレの最後の美学だよ。
  たからさぁ、ここは酔ったフリをして、トボケるしかないかも・・。
  そぅだよ。もっと飲んで、忘れるしかないな。
  だって、オレはもう、お役御免だからさ。
  これからは、自分が出来る範囲で、のんびりと生きていくしかないんだ。
  そう、キーワードは、諦念ではなくて、達観だよ。
 
                          ― おしまい ―
 
 





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