ankanの介護塾

サービス提供責任者の実務研修  
 
2008/05/10 9:57:38|その他
後期高齢者医療制度とケアプラン原案
ケアプラン原案について、

後期高齢者医療制度のケアカンファレンスにおいて、ケアマネの参加が規定され、主治医はケアマネの参加を求めますが、これに伴って、ケアマネに作成が義務付けられているケアプランの原案が医療型ケアプランに作成の基本姿勢の変更を求められています。

医療制度のケアカンファレンスは、入院担当医による退院時と在宅医療の主治医の治療方針の変更時に行うと定めています。どちらにしても主治医が主催するものであり、ケアマネが主催する担当者会議ではありません。

このケアカンファレンスは在宅での医療と介護の必要性からケアマネの参加を求められ、治療に関する情報の共有と医療・介護の担当者間の分担業務と連携手法の確認が目的です。

主治医が求める介護担当者の分担業務の内容を決定する介護方針と介護目標は、現在介護行政が指導しているケアマネの計画1〜2の介護方針と長期目標・短期目標に必ずしも一致するものはありません。

この診療方針と介護方針を統一することが医療と介護の一体化のポイントです。又、この方針の統一は、主治医が主催することから、当然医療方針を基本とすることになり、これに沿った介護方針の決定をすることになります。

具体的な介護目標もこの介護方針に基づいて設定されるものであり、主治医が治療目標とする医療データの改善が介護目標と一致させることが医療・介護一体化の趣旨でもあると理解が必要です。

即ち、診療方針と介護方針が統一され、治療目標と介護目標が同じになることは、医療と介護がその職務の特性を理解し、統一した目標の達成を目指すとき、利用者の改善効果は今の現状からみて飛躍的に高まるものと考えます。

後期高齢者医療制度と介護保険制度の細部の整合性は今後の課題ですが、後期高齢者医療制度がスターとしている現在、介護担当者特にその調整役として位置づけられているケアマネは、整合性の不備を理由に医療との一体化を無視することは、業務規定で医療との連携を定めていることから、避けることは許されません。

主治医が主催するカンファレンスから始まる医療と介護の連携は、医療と介護の情報の検討であり、医療だけの意見を聞くものではありません。現在行われている介護の現状を明確に提示して、ケアマネの判断と意見を持っていなければなりません。

ケアマネが医療知識不足であっても許される範囲ですが、介護している現状の情報を持っていないことでは、主治医はケアマネを対象としてケアカンファレンスを行う理由がなく、医療に必要な情報を持っているサービス提供責任者やヘルパーとの対話を求めることは、当然のことであります。

ケアマネの業務量は、利用者保有件数(35人)が多いか少ないではなく、急性期の利用者の保有数で左右されます。重度者の保有によっては、10人でも8時間労働時間で管理できるものではありません。

重度者の増えている現状から、35人の利用者の全ての最新情報をもって、主治医の診療情報の変更に対応するケアカンファレンスは、今までのケアマネ業務のやり方では、不可能であるといっても過言ではありません。

ケアマネとして介護保険の業務規定を守りつつ、主治医のケアカンファレンスの趣旨に沿うようにするには、どう対処すべきかは、行政の指導がなければこれでよしとするものではありませんが、現状では、退院時のカンファレンスは別として、主治医の診療方針の変更時に行うカンファレンスは、目的である情報の共有について、利用者に聞かせたくない情報も多く含まれ、担当者会議とはその目的が異なることから、ケアカンファレンス後に利用者を含めた担当者会議を行う二重に時間をかけることが必要となります。

しかし、ケアカンファレンスで介護方針と介護目標が設定されることから計画1・2表の作成に手間をかける必要はなくなります。又、期間の設定も協議の内容であり、モニタリングのデータ管理も簡単になることは、ケアマネの業務の簡素化を促進するものです。

前章のケアマネがケアカンファレンスに参加する際に必要となる利用者の心身の状況の変化等の情報の把握をケアマネ自身で行うことは無理であることを説明しましたが、ケアカンファレンスで主治医への情報提供は欠かせないことから、どのように対応するべきかは、ケアマネの医療との連携の重要なポイントであります。

ケアマネの業務は調整役であり、これをまとめてケアプランにすることであります。よって、医療と介護の一体化の調整を行うことであれば、主治医とサービス提供責任者間で直接情報のやり取りが出来、利用者の治療と介護に支障がなければ、無理して中に入って情報の仲介などをして調整をする必要はありません。

その課程の情報を把握出来ていて、ケアプランの作成に支障を来たさず、主治医の理解が得られるのであれば、走りまわる必要はありません。調整役即ちパイプ役は流れがスムースに出来ているのであれば、問題が発生しない限り、静観することでケアマネの業務規定をクリアいているのです。

即ち、主治医とサービス提供責任者は実務者であり、ケアマネは事務職であることを理解し、実務者同士の連携が出来るように気配りを行えばよいと言うことです。但しこの連携の情報は全てケアマネに報告することをサービス提供責任者に義務付けることを忘れてはケアマネの管理書類の完備が出来ないことを認識してください。

よって、ケアカンファレンスにケアマネの参加が要請されるのであれば、サービス提供責任者を参加させる手配を行ってください。この段階からケアマネは脇役として主治医にも理解を求めなければなりません。

しかし、ケアマネは、介護担当者の総合的な意見としてケアプランの原案を作成し、ケアカンファレンスに提供し治療方針との整合性の調整を図ることを避けることはできません。
このケアプラン原案は、一月を単位として医療・介護・自費等全てのサービスの提供内容とその時間スケジュールサービスごとの金額、担当ヘルパーの氏名など主治医が必要とする介護側のサービスの全てを表示したものであることが必要です。

ケアプラン原案は、主治医とのケアカンファレンスの介護側の検討資料としてその重要性が今までの「あれば良し」とするケアプラン原案であっては、主治医から批判されケアマネの素質が評価されることになり、その重要性を再認識してください。

この後期高齢者医療制度から大きな影響を受けるケアマネの業務について、制度間の整合性に問題はありますが、ケアマネの業務規定で医療との連携を規定されいることを考えれば、整合性に問題があるからとこの後期高齢者医療制度の介護制度への係りを避けていたのでは、取り残される結果となることは明らかです。自らの業務の改善を図り日々の業務の完成を目指してください。

ケアプラン原案について、ご質問のある方は、貴方のメールアドレスで、
ankan@mh.scn−net.ne.jp
宛にお問い合わせください。
                以上 庵漢




     コメント一覧
[ 1 - 20 件 / 3 件中 ]

介護保険制度を使えない人たち
ケアマネ業務の他に
介護認定の調査員をやっています。ある日役所に言われました。
「この方は認定調査だけを、受け続けているけど介護保険を使っていないので、使わない理由を聞いて、調査票に書いてください」とのこと。
認定調査で高齢者の家を、訪問した際に、聞いたことがあります。

答えは・・・
「月6万ほどの、国民年金から介護保険料を天引きされているけど、介護保険を使うと、1割の自己負担があるので、それが払えないから、体がどんなになっても、介護保険は使えないのです。自分でご飯が作れないので、福祉の弁当を配達してもらってますが、
そのために『介護認定を受けるように』と、役所関係から言われたので、認定調査を受けています。」(介護が必要な体で、自分で調理ができないことを証明するため・・ということらしい・・)
(ankanさんなら、生活保護を勧めるのかもしれませんが・・・
それは絶対嫌で、少ない年金で頑張る方も沢山おられますよ)この矛盾した話を、一人暮らしの老人から聞いて、愕然としました。

私はその老人の言葉を、役所に伝えましたが「あ、そうだったんですか」というだけです。

介護保険の無駄遣いにより、
介護保険を使えない人たちの
受給年金から、介護保険料を(どんどん金額が上がっていきます)天引きされながらも、でも介護保険制度を、お金がないので、使えない矛盾。
そのため介護業界の方たちの目に、触れる機会もない人達たちの存在をご存知ですか?
この方たちの存在を、
ankanさん初め、多くの人に知ってもらいたいと思います。

ankanさんの講義を最近聞きましたけど、介護保険が使える幸せな方たち向けですね。
「払ってるんだからどんどん使え」的ですね。
(介護関係の男性って、なぜかそういう人が多いです)
講義内容に納得できない部分がありました。

5年後は、高齢化で介護保険が、大変なことになる、認知も増えると、おっしゃっていましたが、団塊世代が65さいを迎え介護保険を使い始めるからですか?

65歳になったから・・と、全員が介護保険を使い始めるわけじゃありませんし、
健康を維持して、介護保険を使わない期間が長引くようにすることが大切だと思いますが・・・
いかがでしょう?

「支給限度額いっぱい、どんどん使え」と推奨することはやめてほしいです。

財政破綻を食い止めるためにも・・・





介護保険料は、、無駄遣いによりどんどん上がり、税金も上がっていきます・・・

よほどの金持ちか、医療費・介護費が無料の生活保護者しか、
使えない介護保険になります。

制度を使えない人を見た  (2010/07/08 23:35:17) [コメント削除]

この場をお借りします
アドレスが YAHOO。のメールからでは送れません・・・

ネットには詳しくないので
どうすればankan@mh.scn−net.ne.jp
に送れるのですか?
いっぱい 聞きたい事、貰いたい資料があるんです・・・ 

桃太郎  (2009/05/08 23:02:25) [コメント削除]

主治医とアポとったことあります?
当HPでは実質的な展開を基盤とされていますが、主治医の意見書、認定作業などの現実はご存知ですか?形態的なんですよ!
認知症であろうが、脳卒中だろうが、加齢による機能ていかであろうが、出来ておれば自立!!努力や家族のストレス、介助負担などは興味のないことなんです。それくらい医師の方針と介護効果を合致させようとする、そのことこそが非現実なのです。実際、経験されてませんね。

名無し  (2008/05/16 23:12:49) [コメント削除]

[ 1 - 20 件 / 3 件中 ]

     コメントする
タイトル*
コメント*
名前*
MailAddress:
URL:
削除キー:
コメントを削除する時に必要になります
※「*」は必須入力です。